KISSA SPORT(キサスポーツ)のナリタチ、カタチ。

“大人の”という枕詞付きのタイトルや商品が蔓延する現代を予知するかのように、40年前すでに「年令25才以上のおとなの女性」へ向けた「おとなのズック」を発表していたシューズブランドブランド「KISSA SPORT(キサスポーツ)」。
現在、キサスポーツの企画を手がける橋本憲さんと、販売を担当する新谷和佳さんにお話を伺いました。


■もくじ■
靴が持つ夢の世界を追い続けた“少女”ずっと永く愛され続ける大人のズック機能美と遊び心が融合したデザインエッセイにも登場する“一本ベルトの靴”長年のファンの声から復活した“新作”サイズ選びとお手入れ


WEAR THE SHOES,RULE THE WORLD!!!

靴が持つ夢の世界を追い続けた“少女”

 「道具」とだけ言い切れない何かがこの小さな容れものに秘められている気がしてなりません。/ファンタジックでもあり、セクシャルでもあるオブジェとしての側面も靴は持ち合わせています。〔中略〕機能性とファンタジーと相反するような二つの世界を行きつ戻りつしていましたが、ある時、靴が本来持っているこの二つの世界を素直に受け入れられるようになりました。
(高田喜佐『Shoe,Shoe PARADISE』1991年)

日本のレディースシューズデザインの第一人者であり、「KISSA SPORT(キサスポーツ)」デザイナー・高田喜佐さんの靴づくりは、靴が持つ“夢の世界”に魅せられスタートしました。

靴づくりの門を叩いた1960年代半ばの日本では、革靴が日常の履物として定着しつつあった程度。靴デザイナーという職業など存在していませんでした。
また個展といえば美術品が普通であったその時代に、ファッション商品としても認知されていなかった靴で展覧会を開催するなどセンセーショナルな活動をおこない、靴が創造の対象となりうることを示します。山本寛斎、コム・デ・ギャルソン、ヨーガン・レールのショーの靴や、「anan」「装苑」「服装」などの雑誌用、PR誌用の靴も手がけ、夢のようにワクワクとたのしく美しい靴を次々と世に送り出しました。

その後、求めやすい価格で多くの人に履いてもらいたいという想いから、1976年に「おとなのズック」というユニークなコピーを携え、キサスポーツを立ち上げます。

旧知の仲だったという靴ジャーナリストの大谷知子さんは「靴づくりの職人は愛したが、靴業界とは距離を置いた。既成の価値を打ち壊し新しいファッションを創り出すファッションデザイナーの世界に身を置くことを選び、彼らからファッションビジネスの進め方を吸収し成長した。そのポジショニングが、高田喜佐を希有の靴デザイナーにしたとは言えないだろうか」と、2014年におこなわれた高田喜佐さんの展覧会図録に寄稿しています。

実際、一緒に仕事をしたつくり手は、何度もやりあい、やりあうからいい靴ができた。信じるものがあるからやりあうし、楽しかったと話します。「サンプルをお持ちすると少女のように手放しで喜ばれて、すぐに履いてみられるのです。仕事より何よりご自分が履きたいんだなと思いました」(展覧会図録より一部引用)。

夢みる少女のようなデザイナーの遊び心に、職人の手により生み出された確かな機能美が融合した、大人のためのカジュアルシューズは多くのファンに愛され、1980年代半ばには年間販売足数10万足を超える人気ブランドとなりました。

(写真1枚目)高田喜佐さん。2006年に他界。生前、写真が出ることをあまり好まなかったため、数少ないうちの1枚。
(写真2枚目)必要があればこれをと、自画像を載せることが多かったそう。
(写真3枚目)キサスポーツの前身ブランド「KISSA」から1973年秋冬に発表した大人のズック第1号。70年に発表した「ポックリ」と、同じ頃流行の先端をいったプラットフォームが符号したデザイン。
(写真一番下)2014年におこなわれた展覧会の図録『高田喜佐 ザ・シューズ』。巻末には「あなたにとってKISSAとは?」というタイトルで、親交のあった川久保玲さんや小野塚秋良さん、安西水丸さん、大橋歩さん、若林正裕さん、ひびのこづえさんなどなど……ジャンルを超えてたくさんの人からメッセージが寄せられている。展覧会では、41年間につくった靴のうち約400点が展示された。

ターゲットはずばり「タカネコ」

ずっと永く愛され続ける大人のズック

高田喜佐さんが他界された数年後、ブランドは一度終了しましたが、なくなっては困るというファンのリクエストや、喜佐さんの靴を存続させたいという周囲の強い思いがリバイバルを実現させました。
子供の頃、素足にズック、時には裸足で走り回った自由さを靴の原体験として、その皮膚感覚、楽しさや解放感をそのままにした、喜佐さんがつくる大人の女性のためのズックは、どのように継承されているのでしょうか。

企画・橋本さん 歴史あるアーカイブを紐解き、定番として人気のあったベーシックな型を中心に再スタートしました。 ラスト(木型)とゴム底の金型はオリジナルを引き継ぎ、簡単ではありませんでしたが品質と履きごこちはしっかりと再現しました。 また喜佐さんの精神を見失わないようにすることがキサスポーツの靴には不可欠なので、これからも喜佐さんのデザインスピリッツを大切に靴づくりを続けていきたいと思っています。

――自分で言うとなんだか気恥ずかしいですが、オリーブ少女だったので、またキサの靴に出合えてとても懐かしい思いがしています。

販売・新谷さん そう言ってくださるお客さまがとても多くいらっしゃいますね。30年、40年来のファンだという50代から70代の方まで、私たちが思っているよりもはるかに、全国的に根強い人気があったブランドなんだと感じています。やっとみつけたのよ、と2点も3点もまとめてお買い上げいただく場合も少なくありません。また、喜佐さんご自身も、オリーブは発売日に必ず購入されるくらいお好きだったそうですよ。

(写真下から2枚目)普通じゃつまらない、といつも口にしているという、株式会社キサの代表で弟の高田邦雄さんのアイディアでできたビビッドなピンクの靴箱。元気でおてんばな喜佐さんの心意気がそこかしこに息づいている。
(写真一番下)企画の橋本さん(左)と、営業販売の新谷さん(右)。

思いが伝わるバスケットづくりを目指して

機能美と遊び心が融合したデザイン

――特に好評なのが「ウェーブソールスニーカー」なんですよね。今回のスニーカーブームは女性にも広がっていますし。

橋本さん キサスポーツのスニーカーは、スポーツスニーカーにはないフェミニンさがあるところも人気の理由だと思います。社内でもダントツで履いているスタッフが多いです。スニーカーとパンプスの中間のような、カジュアルだけどきれいにみえて、でも履きやすさはスニーカーのように心地よくて。
キサスポーツの靴に取り組んでみてよく分かったことは、喜佐さんがつくる靴は、履くと脚がとてもきれいにみえるんですよ。

――具体的にはどのような要素によって、きれいにみえるのでしょうか。

橋本さん 靴と脚が一体感をもって美しくみえるのは、ラストの設計とアッパーのデザインのバランス感ということに尽きるのですが、喜佐さんは恐らく、その感覚を自然と持ちあわせていたのではないかということが、キサスポーツの靴の仕様をみているとうかがえます。それと履きごこちも美しさには大切な要素です。
カタチがどんなにかっこよくても、履いている人が痛みを感じたり心地よく思えなかったら、足元はもちろん、全身も含めて美しさは完成しないと思うので。その点も喜佐さんはミリ単位の調整を職人たちとやりあいながら詰めていたと聞いていますし(笑)靴自体をみても納得できます。

――ウェーブソールスニーカーでいうと、特にココという点はありますか?

橋本さん ヒールカウンターですね。かかとを覆っている部分です。ズックというと小学校で履いていた上履きを連想する方も多いと思いますが、普段かかとを踏んでいるのが脱ぐとバレるので、先生に怒られたりしてましたよね。ウェーブソールのかかとは凹ませてもペコっと元に戻る反発性にこだわっているので、先生に怒られる心配がありません。というのは冗談で、もちろんかかとは踏まないで履いてください(笑)。
キサスポーツの靴に見合うカウンターにするべく、ゴムの配合にこだわり試行錯誤を重ねた結果、履いてかっこよく、脱いだときにも型崩れしにくい凛とした佇まいの、これぞキサスポーツと思える大人のズックができあがったと思います。
キサスポーツはズックでありながら、靴の要素も求められるので、おのずと質のよいカウンターの存在が、とても大切になってきます。

――ヒールカウンターからウェッジソールまでのラインも美しいですね。

橋本さん アウトソールはすべてゴム底です。最近は軽さを第一に考えて発泡系の素材が使われることも多いですが、ゴムは返りがよく歩きやすいので長時間履いても疲れにくい点がメリットです。手で持って重いと言われる人もいますが、実際は足で履くわけですし、履いていただいている方に重いと言われたことはありません。ウェッジソールの中は、どうなっていると思いますか?

――ぜんぶゴムじゃないんですか?

橋本さん 中は空洞にしているんですよ。ただぽっかりと穴を空けてしまうと強度面が弱まるので、立体的な格子状にして軽さを出す工夫はしています。
ちなみにキサスポーツのシューズは、バルカナイズ製法という古くからある特別な製造方法でつくられています。
専用の設備が必要ですが、ほぼすべての工程が手しごとでとても手間がかかります。キサスポーツは一部日本製もありますが、国内でこの製法が可能なメーカーはほんの数社です。

(写真上から2枚目)1975年春夏に発表したウェッジヒールのズック。世界的にも靴のファッション化が最も先鋭的に進んだといわれる時代、そのさらに先をいく兆しさえみえるデザイン。
(写真下から2枚目)ズックのアッパーに使う素材は、平織りのキャンバス地が一般的だそうですが、ウェーブソールは上品なカジュアル感をもつグログラン生地を使用。「奇抜ではない、さりげない違いをまとわせたくて、この生地を選びました(橋本さん)」
(写真一番下)中敷きはコルクインソールを採用し、適度な弾力で足裏にかかる衝撃をやさしく吸収。

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ソフトミックスラフィア

エッセイにも登場する“一本ベルトの靴”

詩人で母の高田敏子さんの影響もあってか、言葉も、またイラストも自分の表現方法のひとつだと語っていたという喜佐さん。8冊の著作のなかで、たびたび登場していたという“一本ベルトの靴”のひとつが、エナメルウェッジソールパンプスです。

橋本さん 今シーズンより新色で赤をつくりました。キサスポーツらしい楽しさと驚きと、ワンポイントで色をたのしみたいという方の目にとまり、手にとっていただけたらなと思います。

>> エナメルウェッジパンプス商品詳細へ


橋本さん よそゆき風のデザインでは、リボンパンプスも好評です。ストラップのタイプとラストもソールも同じですが、おさえるベルトなどがないので、脱げにくいよう甲にフィットさせるために履き口にシャーリングを入れてあり、トゥスプリングというつま先のあがりが強くなっています。
キサスポーツの靴はほかも、このリボンパンプスほどではないですが、快適にコロンと転がるように歩きやすいよう、見た目を損なわない程度に、つま先を浮かせているモデルもあります。

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スウィートマロン

長年のファンの声から復活した“新作”

リバイバルスタート時はヒールものが中心になっていたため、お客さまからフラットなタイプも欲しい、との要望をうけ復活したという2015年秋冬の新作。

橋本さん こちらもオリジナルから復活させた“新作”です。タンクソールという、戦車(タンク)のキャタピラーをイメージさせるゴツいアウトソールなので、メンズライクな仕上がりになっています。喜佐さんはマニッシュなスタイルもお好きで、レディースシューズでもメンズ靴をつくる工場に依頼していたというお話もきいていましたので、いまのキサスポーツのラインナップも、マニッシュな雰囲気が感じられるものと、リボンがついたようなフェミニンな印象のものと、どちらもたくさんの方に楽しんでいただけるよう、展開しています。

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ソフトミックスラフィア

サイズ選びとお手入れ

キサスポーツのサイズは、0.5cm刻みで展開があり、幅はスニーカーやスリッポンが2E、パンプスタイプが1Eでつくられています。(2Eのほうが幅が広い)

橋本さん 幅と表現しますが足囲の大きさの規格なので、デザインによっては幅ではなく高さを出している靴もありますので、幅広にみえない場合もあります。キサスポーツでは基本的に、紐などで調整がきくスニーカータイプは2E、脱げにくいようフィット感が必要なパンプスタイプは1Eを採用しています。

――23cmか23.5cmを履くことが多いスタッフが一番人気のウェーブソールスニーカーを試着してみます。薄くも厚くもないくらいの靴下で試します。試着の仕方で気をつけるポイントを教えて下さい。

橋本さん 靴全般に通じていえることですが、足をつま先側に入れて、かかとに人差し指1本分が入る余裕があるかみてください。入るサイズをみつけたら、今度は逆にかかと側に足を寄せて紐を結びます。そうするとつま先側に余裕ができるので、指が当たらないか、きちんと動くかを確認します。またつま先側に空間があっても、紐できちんと固定されるので、足が前にすべることもなく負担が少ない、正しい靴の履き方です。

スタッフ では23cmから試してみます。指が入りません……。23.5cmは入りました!ちょっと幅広甲高の自覚があるので、同じように感じている方は23.5cmがいいかもしれません。

橋本さん 迷ったらハーフサイズ大きいほうを選んでいただくのがいい場合が多いですね。ヒールカウンターがしっかりしていて若干内側に入る設計なので、かかとがカパカパする心配もないので。

スタッフ 本当ですね。底が厚いのに安定感があって、でもゴムソールがしなって足なりについてくるのと、かかとも固定されて歩きやすいです。ヒール靴を履いたときの背中がピンとする感覚もあります。

――パンプスタイプのサイズ選びはどうでしょうか?

橋本さん スニーカータイプと比べるとですが足囲がやや小さめなので、普段履いているサイズか、幅広甲高という方で通販で購入となると、ハーフサイズ上を選んでいただくのが無難かと思います。

――お手入れについておしえてください。

新谷さん ソールの色がホワイトの場合、汚れが目立つので気になる方が多いと思います。その場合、アッパーの生地を生地を濡らしてしまわないよう注意しながら、中性洗剤とタワシで汚れを落としていただければと思います。
アッパーに関しては、履く前に防水スプレーをかけて、たまにブラッシングすることが効果的ですが、生地によりお手入れが方法が異なる点もありますので、靴と一緒に入れている取り扱い説明書を参考にしていただければ幸いです。

(写真一番下)ウェーブソールにおすすめの、シングルというドレスシューズに使われる紐の通し方。片方はつま先側から手前の穴に斜め一直線に通し、もう片方はらせん状にクルクルと通していきます。




おみやげをいただきました。KISSA SPORT●●を●名さまにプレゼント


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