[ 連載 ]松野家の暮らし

その5. 松野家の冬じたく

きぬ子さん、冬のある一日。

2019年12月13日(金)
1945年創業。東京の下町・馬喰町で70年続く卸問屋であり、現在は荒物を扱う雑貨店として知られる『暮らしの道具 松野屋』。店主・松野弘さん、きぬ子さんの暮らしぶりから、便利に美しく使われてきた昔ながらの生活道具の魅力を倣っていきます。第5回は、『松野家の冬』の過ごし方。

朝までぽかぽか湯たんぽと、おはよう

トタン湯たんぽ/2,750円
メルトン湯たんぽカバー(2色展開)/3,960円

きぬ子さんの冬の朝は、湯たんぽと一緒にはじまります。一年のうちでいちばんお布団から離れがたい時間も、湯たんぽを抱えて、えいやっと起きてしまうのだそう。「夜寝る前にあつあつの熱湯を注げば、翌朝まであたたかさが続きます。昔はそのとてもいい湯加減になったお湯で、顔を洗ったりしたんですよ。(きぬ子さん)」

さあ、まずはお掃除から

コットンリネンロングエプロン(3色展開)/9,350円

エプロンをきゅっと締めて、まずはお掃除から。冬の朝は一日のうちでいちばん寒いぶん、湿度が高いといわれています。湿度が高いと細かなホコリが舞いにくいので、掃き掃除にもってこい。
鋳物刷毛/1,980円

お掃除の基本、上から順に。「この刷毛はもともと、鉄瓶などの鋳物づくりに欠かせない道具のひとつで、繊細な仕事を助けるために工夫された穂先はとても柔らかです。柄が長い特徴も活かして、高いところや狭いスペースの掃除につかっています。」
高いところにあって溝が多い掛け時計も、気付いたときに手早くさっさ。吊るすための赤い紐が柄の先に付いていて、とても愛らしいルックス。インテリアとしても素敵にお部屋を彩ります。

松野家いちおしのブラシ

ブタ毛チャンネルブラシ/1,210円

この連載ではじめて松野家にお邪魔したのは今年の春先でしたが、取材でお伺いするたびに、これすっごくいいんだよ!とおすすめされ続けてきたブラシ。満を持してのご紹介です。
Jの字にカーブした先端まで、ブタ毛がしっかりとついているので、サッシや蛇口まわりのコーナー、境目などすみずみまでブラシがピタッと密着するさまは、掃除していてとっても気持ちがよいそう。硬めの毛質でしっかりと汚れをかき取ります。鉄製ハンドルはフックがけもできて、松野屋らしい質実剛健とした暮らしの道具です。

作業服として考え抜かれたエプロン

コットンリネンロングエプロン(3色展開)/9,350円

ひざまずく動きも多い掃除仕事。丈が長いこのエプロンは、すっぽり覆って汚れや摩擦から服や脚を守ってくれます。ダブルステッチとカンヌキミシンをほどこし、ポケットには力布もつけることで、引っ張られて糸がほつれたりポケットが取れたりしにくい工夫も。ペンやハサミを無造作に入れても突き抜けないように、ポケット底が二重にしてあります。さらに、背中のリボンをバッテンにすることで疲れを感じにくくしたり、前でリボンが結べるよう長めにしたり、いたれりつくせりのオリジナルエプロンです。(魔法瓶のパイオニアといわれるドイツ発祥のメーカーにユニフォームとして採用されているそうです)

もうひとつ有能ブラシをご紹介

馬毛油筆/660円

いまパソコンでこのページをご覧いただいている方、キーボードの汚れ気になりませんか?パソコンのキーボードやコーヒーミルなど、隙間に入り込んだ細かなものを取り除くお手入れにおすすめのブラシ。柔らかな馬毛で、たいせつなものを傷つけずに掃除がはかどります。

ひと仕事のあと、自分のための時間

モンゴルフェルトスリッパ/6,600円

縫い物や編み物が大好きなきぬ子さん。足首と甲が覆われて、かかととつま先がないカタチのお手製くつ下が、色の組み合わせもとってもかわいくつくられていました。「集中して編んでいるうちに、気づかないまま足が冷えてくるのは体によくないので、フェルトスリッパを愛用しています。」
モンゴルフェルトルームシューズ(左上)/8,250円

モンゴル生まれのフェルトスリッパとルームシューズ。どちらもざくざくとかけられたステッチがアクセント。杢グレーのやわらかなウールの風合いに、履いていても見ていても、ほっこり。
お部屋はあたためても、廊下や階段の床に体中がひやっとしますね。自分用のお気に入りに、お客さまのために、贈りものにもぴったりのひとしなです。

お待ちかねのお夕飯のしたくへ

(左奥)ワラ釜敷/1,870円~
(右前)イナワラ土鍋敷き/2,970円

松野さん家も冬の食卓はお鍋が多いそう。「水炊きをポン酢で食べたり、土鍋でおでんにしたり、シンプルな味のお鍋が松野家の定番です。」
土鍋の下に敷いているのは『イナワラ土鍋敷き』。言わずとしれたお米の名産地・新潟県魚沼でつくられている鍋敷きです。
使わないときは吊るして。アノニマスなプロダクツでありながら、まあるく美しく編まれた鍋敷きから、熟練の技が感じられます。
ワラ釜敷/1,870円~

右は松野家で丹念に使い込まれたワラ釜敷。土鍋や鉄瓶でジュッとついた焦げが、味わい深い佇まい。
木杓子/2,200円~

岩手県で昔ながらに作られている木杓子。秋と冬に切り出す、地元の山で育った朴(ほお)の木の丸太を、のこぎりやナタ、カンナを使ってひとつひとつ杓子のカタチに彫り込んでつくっています。お鍋の具をすくったり、しゃもじのようにごはんをよそうのにもおすすめです。

ぽかぽかな朝を迎えるための、もうひと仕事

トタン湯たんぽ/2,750円

トタン素材の懐かしい雰囲気のある湯たんぽは、直火にもかけられるので、お水を入れてコンロに乗せて、くつくつとあたためる使い方もできます。が、まずは沸かしたお湯を入れて使いはじめるのが安心かもしれません。
お湯を入れ終わってフタを閉めるときは、すでにトタンが熱々に。手では触れないくらいの熱さなので、布巾を用意するなどやけどにお気をつけください。
メルトン湯たんぽカバー(2色展開)/3,960円

カバーは、松野屋オリジナル。ナチュランのお洋服でもいま人気のメルトン生地を選んで、どなたにも使いやすいシンプルなカラーとデザインに仕上がりました。撥水性と反発力があり丈夫、もちろん保温性にも富み、やわらかく、上質感があります。

ぽかぽかでおやすみなさい。またあした。

あわせておたのしみください