大人のマナー「結婚式(秋冬)」

結婚式や披露宴にお呼ばれした時に一番大切にしたいのは『お祝いの気持ち』です。新郎新婦やご両家の皆さまへのお祝いの気持ちを表す装いや振舞こそが、参列者に求められるマナーだと思います。
寒い季節ならではの留意点も踏まえつつマナーのポイントを確認していきましょう。

装いのマナー

今は寒い季節でも屋内の会場では空調が効いており、あまり暖かさを追求した服装だと暑すぎるかもしれません。しかし、披露宴の演出として野外でのデザートブッフェや写真撮影などが行われることがあります。屋内・屋外で調節ができる装いが理想的ですね。

※着脱がしやすいジャケットやショールなどがあると便利です。

服装選び

一般的な結婚式のドレスコードは準礼服です。女性の準礼服はひざが隠れる丈のワンピースが基本です。女性のパンツスタイルも昨今は許容されることが増えました。式場の格式が高い場合や親族の場合は避けたほうが無難ですが、友人として参列する場合は問題ないことが多いようです。

【暖かさの工夫】

フォーマル素材の基本はツヤ感です。
素材で暖かさを出すならベロアやベルベットなど厚手でツヤ感があるものがおすすめです。ニット素材はこの季節に活躍するアイテムではありますがフォーマルな場には適していません。 薄手のワンピースでも羽織もので調整すれば寒い季節も問題なく着用できることが多いでしょう。季節を問わず使えるワンピースが一着あれば重宝します。

フォーマルな場での羽織ものの代表はボレロとショールでしょう。この時期はファーのボレロをよく見かけますが、結婚式や披露宴での着用は避けましょう。フェイクファーも同様です。理由は殺生を連想させるため、また、ファーが抜けて食事に混入する恐れがあるためです。なお、暖かい素材ではありますがニット素材はカジュアルすぎます。ボレロもショールもドレスと同様ツヤ感のある素材を選びましょう。

【配色の気遣い】

黒のドレスは季節を問わず人気です。着回しもしやすく重宝しますね。結婚式に黒のドレスで参列することは問題ありませんが、黒のドレスに黒の羽織ものを合わせるなど全身真っ黒になってしまうと不祝儀を連想させます。黒のドレスには明るい色のショールを合わせるなどお祝いの場にふさわしい装いを心がけることが大切です。

アクセサリー選び

季節を問わず、パールは活用できるジュエリーです。
あくまでも花嫁より目立たないことを念頭に、色やデザインを選びましょう。アクセサリーにファーをあしらったものがこの時期多く出回りますが、結婚式では避けましょう。

靴・ストッキング選び

健康上の理由がある場合を除き、フォーマルな場での足元はヒールのあるパンプスと肌色のストッキングが基本です。ストッキングでも黒は結婚式に向きません。革製の靴は許容されますが、ヘビ革やワニ革、布製でもヒョウ柄など明らかに動物柄の靴は結婚式ではNGです。また、寒い季節に活躍するブーツとデニール30以上のタイツはカジュアルな装いですので避けましょう。

バッグ選び

季節を問わず光沢のある素材の小ぶりなものがフォーマルな場ではふさわしいでしょう。基本的に革製品は結婚式にふさわしくない素材です。革のバッグも避けたほうがよいでしょう。(靴は例外です)フォーマルバッグに入る物の量は限られていますのでサブバッグがあると便利です。クロークに預けるものとは言え、紙袋やキャラクター柄のものはフォーマルな雰囲気に合いません。黒や紺などで上品なデザインのサブバッグがあると重宝します。

メイク・ヘアメイクのポイント

結婚式でのメイク・ヘアメイクは清潔感ときちんと感がポイントです。
普段お化粧をしない方でも式典ではファンデーションとアイブロウ、口紅は最低限つけるようにしたいものです。しかし、この季節はお肌が乾燥してしまう方も多いのではないでしょうか。乾燥したお肌は化粧のノリが悪くなります。事前にお肌のコンディションにも気を配りましょう。もちろん健康上の理由でお化粧が出来ない場合は無理をする必要はありません。

持ち物の準備


式場に持ち込むフォーマルバッグにはカメラ(携帯電話)、お財布、口紅など、式に必要なものを入れましょう。お薬が必要な方もいらっしゃるかもしれませんね。大きなお財布はフォーマルバッグに入らないことがあります。貴重品なのでクロークに預けることもできませんので、事前にバッグに入るサイズのお財布を用意しておくといいでしょう。
替えのストッキングや、寒さ対策の携帯カイロなどはサブバッグに入れておきましょう。

二次会から招待された場合の装いのマナー

会場に合わせて服装を選びます。高級ホテルなど格式の高い場所で行われる場合は、たとえ二次会でも結婚式に参列する時と同じ服装マナーが適用されます。

多くの方が迷われるのは平服指定の場合ではないでしょうか。「平服」とは略礼服のことですので、この場合もカジュアルになりすぎないことが大切です。フォーマルでも通用するワンピースやスーツなどを選びましょう。しかし、バーや居酒屋で開催される友人のみのカジュアルな二次会の場合は、さらにカジュアルダウンすることもあります。新郎新婦がブーツで登場するなんてことも。あらかじめ新郎新婦に会場や招待客の雰囲気を確認しておくと安心ですね。

立場をわきまえたマナー

結婚式では呼ばれる立場によって適用されるマナーが少しずつ異なります。 親族の結婚式の場合は「招待客」というよりは自分自身もホストであるという意識で装いを選びたいものです。したがって、友人としてご招待されたときよりも礼服の基準をより厳格に守る必要があります。例えば、女性のパンツスタイルなど友人なら許容される装いも親族の場合は避ける方がよいでしょう。また主賓の場合も同様です。結婚式における立場もわきまえるのが大人のマナーと言えるでしょう。

監 修

監修いただいたのは、【日本サービスマナー協会】認定マナー講師 中村裕美子先生です。

日本サービスマナー協会 認定マナー講師 中村裕美子さん
中村裕美子さん

日本サービスマナー協会 認定マナー講師

自身の子育て経験を活かし、日常のあらゆるシーンのマナーを教えています。相手を大切にし、自分自身も大切にする方法の一つとしてマナーを学ぶことをお勧めしたいと思います。

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