あたらしい1年を迎え、またあわただしい毎日がはじまりました。2015年ひつじ年もナチュランをどうぞよろしくお願いします。
さて、忙しい日が続くと、心も体もちょっと疲れ気味になって、イライラがたまったり、だるさが出てきたりしてしまいますね。なんとか乗り切るために、大きな行事だと旅を計画したり、小さなひと段落としては美味しいごはんをたのしんだり、みなさんも気分転換を織りまぜながら上手に過ごしていらっしゃると思います。
また、暮らしに植物を取り入れて安らぎを得る知恵も、いろいろな国で古くより伝わっていますが、日本では華道や茶道がそのひとつ。現代では草花を飾る、お茶で一服つけることで日々の生活に定着しています。
一服のように、体内に取り入れることを「服用する」などと表わし「服」という字が用いられていますが、もともとは植物で染めた繊維を身につけることで、その植物が持つ薬効を体に取り入れることができる、と言われていました。
体温をあげる効能や、虫よけや浄化の効果を期待して、昔の日本人は生地を染めていたのだそうです。今のわたしたちがハーブを取り入れる感覚に近いのかも知れません。
今回ご紹介する「草木染め」シリーズも、天然の植物「ログウッド」と「くちなし」で染め上げた、リンネルmaisonの別注アイテムです。
「草木染め」はその名のとおり、草や木をはじめ、花や実などの植物に含まれている天然の色を抽出し、糸や布を染め上げる技法です。
もしかしたらみなさんも試したことがあるかもしれない、もっとも身近な染色方法と言われています。たとえば紅茶染めも草木染めの一種。以前、白いタイツを購入したときに、穿いてみたら思いのほか白すぎてしょんぼり……。でもそのまま穿かないのもつまらないので、ものは試しと紅茶とタイツをお鍋に入れてグツグツ煮込んでみたことがあります。知らず知らずのうちに草木染めを体験していたんですね。
化学染料のびしっと均一な色合いとは異なる、天然染料ならではのやさしい深み、奥行きをもった複雑な色味が特徴の草木染め。単色にみえるようで実は、ひとの目では区別できないくらいたくさんの色素が入り混じっていて、洗濯で何度も水にくぐらせたり、乾かすためおひさまに当てたりを繰り返し着続けることで、革の経年変化のように独特な風合いの移り変わりがたのしめるのも魅力のひとつです。
Heavenlyとリンネルmaisonが今回、草木染めに選んだ植物は「ログウッド」と「くちなし」です。
ログウッドは藍色にも似た、ほんのり紫がかったこっくりとした濃紺で、草木染めの中で扱いがむずかしい染料のひとつです。
金属と反応させると桃色や黒など、さまざまな色に変わることから“すべての光(色)を持っている”とされ、光を集めて邪気を払ってくれるお守りのような存在として仏衣の染料にも使われていました。(変わったところではピアノの黒鍵やギブソンのギター、ナポレオンのフロックコートやネルソン提督のコートもログウッドを染料にしているそう)
くちなしは草木染めでもとてもポピュラーで、古くから染色に重用されていたと言われています。花は白いですが、乾燥させた実から煮出した染料は少し赤みを帯びた黄色。黄金色に輝く財宝に見立て、豊かな1年を願い食される、栗きんとんの色付けでもおなじみですね。近年では技術の発達により、今回のワンピースの青磁色のような青系色素も抽出できるようになりました。
花言葉は「幸せを運ぶ」「清潔」「幸せ」「秘めた愛」……。
名前やエピソードを知ると愛着がわいてくるのも、天然の原料を用いる草木染めの魅力的なポイントです。ただ青いワンピースなのではなく「くちなしのワンピース」だと知ると、なんだか親しみが増してきませんか??
染色と、お手入れについてご紹介します。
専用の釜で1回に20枚くらいのワンピースや羽織り、ストールをそれぞれ製品染めしたあと、「媒染」という繊維に色を定着させる、草木染めには欠かせない工程へ。染色は美しく色付けをして風合いを加える。媒染はその色と風合いが損なわれるのを防ぐという、生地の付加価値を高めるたいせつな役割をそれぞれ担っています。
媒染にはさまざまな種類の金属を用いて染料を定着させるのですが、最近では技術の向上により、1種類の天然染料からいろいろな色を引き出す役目も果たすようになりました。
次に、お手入れ方法です。媒染で不用意な色あせを防ぐ処理をしているものの、化学染料で染めた製品と違って、お洗濯などの取り扱いには少し注意が必要です。
漂泊成分が入っていない中性洗剤をぬるま湯に溶かし、やさしく手洗いしてください。温度が高いと色が抜け、またゴシゴシ強く洗うと擦れた部分だけ色落ちの差が出てしまうので、やさしくやさしく押すように汚れを取り除きます。軽く脱水をかけてカタチをととのえてシワの伸ばし、陰干しで乾かします。しっかりとほどよい厚みとハリのあるリネン生地ですが、比較的はやく乾くのと、アイロンいらずなところもうれしいポイントです。
また、金属と触れさせない、レモンなどの酸性物質にも触れさせないように。干す場合や吊るしておく際にも、一部分のみや片側だけなどに紫外線を当て続けないことも、気をつけてほしい注意点だそうです。
ただ、そんなハプニングでできたしまった色落ちも味わいとなり、素敵にみえるのも草木染めの魅力です。
ストールのフリンジはすべて手作業。羽織りはワンボタンで大人の洗練された印象に。羽織りもワンピースもすっきりと便利なスラッシュポケット付き。Heavenlyのロングヒットワンピースと同じ型、同じリネンを使用していますので、着やすさやしっとりとやわらかな肌ざわりは折り紙つきです。
紹介したアイテムはこちら
Heavenly 売れ筋ランキング
[ベスト10]
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