読み物
Mayamoonさん連載【緑が伝えてくれること】8月前半/育ちやすい場所に種を飛ばす
![ざるの上の夏野菜の画像](https://natulan.jp/natulagi/wp-content/uploads/2023/08/見出し-1200x700.jpg)
writer Mayamoon
絵描き、詩人、ガーデナーとして活動するMayamoon(マヤムーン)さんの、緑がつないでいく12カ月の記録。
自宅のお庭や市民農園で育てるお花やハーブ、野菜たちは、心の平和を保つために大切なことを伝えてくれるようです。
たっぷりの栄養で心も体も元気に。育てる楽しみと食べる喜びに満ちた、8月前半のお庭便りです。
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スイカの糠漬け
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今日も暑いけど畑へ。
服の上からも刺してくる蚊に襲われながら、汗だくになって作業をする。
夕飯に食べる分だけの野菜を収穫して家に帰る。
帰ってきて手を洗ったらすぐに冷蔵庫を開ける。
そこには食べやすい大きさのスイカが、保存容器のなかで輝いている。
息つく間もなく次々食べて水分補給。
このスイカのおいしいことよ!
こんなにおいしい食べ物がこの世にあるのかと思うほど。
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スイカは買ってきてすぐにカットして、夏の間は冷蔵庫のなかできらさないようにしている。
赤い実と皮の間にある白い部分は糠漬けにしている。
数年前と比べてスイカの白い部分が確実に少なくなっている気がする。
きっと品種改良されて赤い部分が多くなっているのだろう。
スイカの白い部分は世の中的にはいらないものなのかも。
そう思うと、かわいそうで意地でも食べてやろうという気になる。
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今年はスイカを自分でも育ててみている。
花が咲いた形跡もなくダメかなぁ……と思っていたら小さな実がついていた!
自分で育てたスイカの皮を糠漬けにできる日を心待ちにしている。
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トマトの保存
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この時期の畑は雑草が伸び放題。
何か植えていたであろう場所も淘汰されていて、もはや雑草を育てている状態に。
そんな雑草だらけの畑のなかで、去年トマトを植えていた場所からこぼれ種で芽が出て、トマトが育っていた。
作業の間に一粒口にふくむ。
酸っぱくてほのかに甘くて野生の味がする。
トマトがたくさん採れたらトマトの塩水漬けをして保存する。
自家製のホールトマトのようなもので、トマトソースとして料理に使える。
ミキサーにかけて、オリーブオイルをたらすと冷製スープとしても夜ご飯の一品になる。
そのまままるごと食べてもおいしい。
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まずはトマトを湯剥きする。
煮沸した瓶にトマトを入れてヒタヒタになるまで塩水をいれる。
そのまま冷蔵庫で保管。
長く保存したい場合は瓶を脱気するか冷凍する。
夏野菜はたくさんとれるのでなるべく無駄にしないように、保存食にして食べきるように心がけている。
暑い日の塩分補給にもこのトマトは最適で、これのおかげで今年も夏を乗りきれそうだ。
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環境を選んでいくこと
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畑ではなかなかスーパーには売っていないような野菜を育てるようにしている。
昔から日本で育てられてきた在来種や、地域ごとの伝統野菜、海外の野菜など。
今年は加賀の太きゅうり、へた紫ナス、京白ナス、タイバジル、紫ケール、ビーツ、丸ズッキーニ、十六ささげ、はぐらウリなどを育てている。
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十六ささげは愛知県の伝統野菜。
数年前に種をもらってそれ以来、毎年種取りしてつないでいる。
さやに十六個の豆が入っているということでその名がつけられた。
長いいんげんのような感じでさやごと茹でて食べる。
淡白な味で副菜にはぴったりな野菜だ。
いろんな植物を育ててみて、ひとつ分かったことがある。
それはその土地にあう植物とあわない植物があるということ。
その土地の土にあっていれば、そこまで人の手を加えなくても大きく育つ。
逆にその土壌にあっていないと、どんなに管理してもうまく育たない。
植物は自分の一番育ちやすいところに種を飛ばして繁殖する。
一年で枯れてしまう一年草と呼ばれている草木でも、環境にあっていると翌年も花を咲かせることもある。
人も同じように自分の種をどこに飛ばすかで、自分の活かし方が変わっていく。
なるべく素の自分で心地よくいられる場所にいたいと思う。
【写真提供】Mayamoonさん
作家プロフィール
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Mayamoon(マヤムーン)
絵描き・詩人
絵描き、詩人として表現活動を続ける。オンラインコミュニティ「ノートと種まき」を運営するほか、暮らしにまつわる手仕事のワークショップ講師としても活動。庭で花やハーブを栽培、市民農園で無農薬、無肥料の家庭菜園を行い、植物との暮らしを発信している。instagram:@mayamoon0000
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