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【おしゃれの見つけ方】第3回 イラストレーター・よしいちひろさん/あえて型にはまらない。憧れの洋服は日々を楽しむスパイス
writer 齋藤萌
「心地いいおしゃれの見つけ方」をテーマに、自分らしい着こなしやおしゃれのルールを持っている人たちをご紹介しています。
第3回目は、雑誌や書籍で活躍するイラストレーターのよしいちひろさんです。
カラフルで愛らしいよしいさんのイラストは、まるで少女の夢の世界のよう。彼女独自の色彩や繊細なタッチは多くの人を魅了し、さらにイラストの雰囲気そのままのインテリアやファッションもさまざまなメディアで取り上げられています。
こうしたどこを切り取っても感じられる「よしいさんらしさ」の秘密はどこにあるのでしょうか。知りたくて、今回ご自宅でお気に入りの洋服たちを見せていただきました。
意外とミーハー?ハイブランドや流行も柔軟に取り入れる。
「洋服を選ぶ上で、自分に似合うかどうかはとても大切です。けれどそれだけだとつまらない。だから似合うかどうかは脇において、憧れのものもたまに手にとってみるんです」
時々ハイブランドや流行のアイテムにも手を出してみるというよしいさん。「結構ミーハーなんです。もちろん、買い物の失敗も多いんですよ」と、楽しそうに微笑みます。
「以前オンラインショップでステキなセーラートップスを見つけたので購入しました。ショップのオーナーの方がとても上手に着こなしていたので、憧れたんです。けれど実際に着てみたら、まるでオーナーの方のコスプレのように感じてしまったんです。
居心地良く過ごすためにも、自分に似合うかどうかはとても大切。
けれどたとえばこのセーラートップスも、着こなしを試行錯誤する間に新たな発見があって楽しかったんです。
だからたとえすぐにしっくりこなくても、憧れのものは私にとっては日々の良い刺激。こうなりたいという理想に向けてちょっと背伸びをすると、日常に新鮮さが加わります。私にとってはその体験が大切なんです」
さまざまなものを柔軟に取り入れているよしいさん。けれどもコーディネートがチグハグな印象にならないのは、よしいさんが自分に似合うアイテムやコーディネートを理解しているからこそなのではないでしょうか。
ここからはよしいさんらしさを支えている、定番アイテムたちをご紹介します。
1. デニムとオレンジイエロー
「モノクロームでまとめたシンプルなコーディネートに憧れますが、私には似合わないんです。逆に、色や柄が使われたものの方がしっくりきます。特にオレンジ味を感じさせる黄色が似合うので、自分の定番カラーにしているんです」
「そして大のデニム好き。カラーやフォルムなど、微妙にニュアンスの違うものをいくつも持っています。腰回りがすっきりとしたデザインで、フォルムは体のラインを拾わずボリュームのあるものが好きです」
2.レトロさを感じさせるアイテム
「年代は必ずしも古くなくて良いんですが、レトロな雰囲気をまとったデザインが好きです。
例えばこのリメイクの刺繍のスカートも、レトロな見た目が気に入って購入したものです。10年以上前のものですが、今でも愛用しています」
「そしてこちらはスペインのブランドであるFISH&KIDSのワンピースとブラウスとショートパンツ。
レトロなテイストと、おしゃれかどうかの絶妙なラインを狙ったようなデザインがとても好みです」
取材・協力
よしいちひろ
イラストレーター
透明感のあるガーリーなタッチのイラストを手がけ、女性誌や書籍、広告などで活躍。ファッションやライフスタイルなども注目され、モデルやブランドコラボレーションなど、さまざまな分野で活動の幅を広げる。Instagram:@chocochop2
作家プロフィール
齋藤萌(さいとうめぐみ)
編集者・ライター・フォトグラファー
「土屋鞄製造所」「北欧、暮らしの道具店」など、3社にてWebメディアの編集・ライターを経験し、2021年に独立。暮らしまわりやものづくりに関わる取材・執筆が得意。またフォトグラファーとしても活動している。instagram:@megum_isaito