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スキマ時間にできる“頭皮ほぐし”でハリ・コシのある美しい髪を育む/セルフケアコラムニストいしずか久見子さん
writer いしずか久見子
いつまでもおしゃれを楽しむために、身につけたい美容と健康のセルフケア。生活の中でちょっと意識するだけで変わる、プラスワンのケア方法をお届けします。
お気に入りの洋服を身にまとっても、髪の毛が決まらないとなんだかモヤモヤ。スタイリング剤を変えても解決しない髪のお悩みは、そもそも頭皮の問題かもしれません。
今回は、大人世代にやさしく寄り添う“無理をしないセルフケア”を提案するセルフケアコラムニストのいしずか久見子さんに、<健やかな頭皮の5つの条件>と<頭皮をほぐす簡単セルフケア>をご紹介いただきました。
豊かで美しい髪は、若々しさや透明感を補ってくれる
年齢とともに、肌と併せて気になってくる髪の衰え。髪をはじめ、眉や髭などの体毛全般は、人間や動物を問わず“生命力”を象徴する要素といえます。
せっかく肌がキレイでも、髪がパサパサでボリューム不足だと第一印象はややしょんぼりした印象に見えやすくなります。また、犬や猫といったペットの世界でも、ふさふさの艶やかな毛並みが、健康状態の良さを表すバロメーターのひとつとなっていますよね。
すこし話が飛躍しましたが、つまり女性にとって豊かで美しい髪とは、いきいきとした印象をつかさどる“顔のフレーム”なのです。
肌の調子がイマイチでも、みずみずしい毛先が顔まわりにあれば透明感がいくらか補完されるといっても過言ではないでしょう。
髪の健やかさは、頭皮の状態で決まる
髪のパサつきは、ヘアケアやスタイリングでいくらか緩和することが可能ですが、ハリやコシの無さ、毛の細りからくるボリューム不足については限界があります。
ハリやコシのある、潤いをしっかり抱え込める髪は、頭皮が健やかでないと育まれません。そこで、以下に健やかな頭皮の5つの条件を挙げてみました。
<健やかな頭皮の5つの条件>
①かゆみやフケなどのトラブルと無縁
②極端なベタつきやカサつきがない
③頭皮に透明感があり、毛穴づまりが少ない
④冬は1日おきのシャンプーでも匂いにくい
⑤指で簡単に頭皮をズラすように動かせる
\Check!/
①と②が気になる方……
病気やストレスが起因していない限り、大人の髪や頭皮のことを考えて作られたヘアケアを適切に使っていれば、おそらくクリアできる条件です。気になる方は一度皮膚科にご相談することをおすすめします。
③が気になる方……
健やかな状態であれば赤みなどの色むらがなく、透明感のある白い地肌が普通です。
毛穴のつまりは肉眼での判断が難しい要素ですが、日頃からスタイリング剤をたっぷり使う、あるいは生理前や油っこい食事が続いた時に頭皮に吹き出物が出来やすい方は、普段のヘアケアに頭皮ケアアイテムを取り入れたり、一度ヘアサロンで相談してみるのもおすすめです。
>>ナチュランおすすめの頭皮ケアセラム
④が気になる方……
1日おきのシャンプーでも、頭皮の状態が良ければじつは匂いは気になりません。冬はさらに汗や皮脂の分泌が少ないため、頭皮の潤いバランスが良好であれば雑菌が繁殖しにくく、酸化による匂いがぐっと軽減されます。
ただしこちらは、皮脂の分泌量が下がる40代以降で、ドライ後は毛先に洗い流さないトリートメントをつける程度の髪を対象とした条件です。40代以降でもスタイリング剤をしっかり使っている髪は、酸化臭が生じやすいので、その日のうちにシャンプーするのが望ましいです。
⑤が気になる方……
頭皮のかたさは、ハリやコシがあり、潤いに満ちた美しい髪づくりにもっとも直結する条件です。①〜④を満たしていても、頭皮がかたくなっていたり、むくんだように厚ぼったくなっていると、血行が悪くなります。
その状態を放置すると、いくら食事を気にしていても、髪に栄養が行き渡りにくくなり、潤い不足の細くコシのない髪になってしまいます。また、頭皮の血行不良はお顔のたるみにも繋がります。
日々心がけたい、血行を高める‟頭皮ほぐし”とは?
美容に興味のある大人の女性なら、すでに「シャンプーの時は髪だけシャカシャカせず、地肌も動かすように洗っています」という方がほとんどかもしれません。
しかし30代後半ぐらいからは、もう1つセルフケアを追加したいところです。近年は、スマートフォンの使用で眼を酷使する時間がとても長くなっています。
眼精疲労の蓄積に加え、デジタルストレスは自律神経のバランスを乱しやすく、日中の緊張や就寝時の噛み締めなどによって、耳上の側頭筋がガチガチにかたくなっているケースはかなり多いようです。
巡りの良いしなやかな頭皮を取り戻すには、デスクワークなどで「眼が疲れたな」と感じたら、その場で以下のようなマッサージをしてみるのはいかがでしょうか。
■意識する頭皮の筋肉はここ!
\Let’s try!/
①両ひじを机につき、両手の親指以外の4本の指のはらを耳上の側頭筋(a)に当てて、頭の重みを預けながら頭皮を後ろへ動かすようにほぐす。
②少しずつ位置を変えて側頭筋のかたさが緩んだら、額の髪の生え際へと両手を移動し、前頭筋(b)のキワも前後に揺らすようにして緩める。
最後にもう一つ、忘れずにケアしていただきたい部分。それは、首から肩にかけての凝りです。頭皮によく触れるようになっても、首や肩がカチカチに凝っていては当然ながら頭部の血行が停滞します。
最近は手軽なマッサージツールも増えているので、手で圧をかけにくい頭の後ろの後頭筋(c)から首にかけてと、肩まわりの凝りは小まめにほぐしてあげましょう。さらに余力がある時は、手で脇下のリンパを揉みほぐして老廃物の排出を促すとなお良いと思います。
撮影/菊地和歌子
モデル/YURI
イラスト/ミヤジュンコ
文/いしずか久見子
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■あわせてぜひチェック
>>大人のためのエイジングケアシリーズ
作家プロフィール
いしずか久見子(いしずかくみこ)
セルフケア コラムニスト
美容ライター(石塚久美子名義)として、『リンネル』などの雑誌やWeb媒体を中心に美容や健康にまつわるさまざまな取材に従事。執筆の傍ら、皮膚科学に沿ったスキンケア、解剖学に基づく正しい姿勢や体の使い方、分子整合栄養医学などを学び、セルフケアで自身の敏感肌や冷えやすさといった虚弱体質を克服。現在は、メンタル面も含めた“無理をしないセルフケア”を提案すべく講師活動も行なっている。Instagram:@selfcare_columnist