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【おしゃれの見つけ方】第8回 手工芸作家・堀川波さん/手作りのもので「好き」と「似合う」を叶えるおしゃれ

writer 齋藤萌

「心地いいおしゃれの見つけ方」をテーマに、自分らしい着こなしやおしゃれのルールを持っている人たちをご紹介しています。

第8回目は、イラストレーターや手工芸作家として活動している堀川波さんです。

▲堀川さんのオリジナルブランド「kiki to kiki」の洋服

アクセサリーから洋服、そしてバッグに至るまで、自分で制作をしている堀川さん。

「年代も好みも自分と同じ方がお客さま。だから自分の好きなものを作っています」と語る堀川さんが作るものは、どれもこれもすぐに完売してしまうほどの人気ぶりです。

そんな堀川さんのお話を聞いていると、好きなものに対して正直であるのはもちろんのこと、「今の自分に何が似合うのか」を大切にしている様子がうかがえます。

そこで今回は、年齢や暮らし方にフィットすること、そして譲れない自分の好み、それらをどれも諦めず作品に落とし込んでいる堀川さんのこだわりについて聞きました。

体のラインを拾わない、自分に合った服

「今着ているワンピースとベストは、itonowa Life(イトノワライフ)の渋谷有美さんと立ち上げたブランド『kiki to kiki(キキトキキ)』のものです。キルティング刺繍を施したベストなど、私が大好きな手仕事の要素を取り入れつつ、お腹や二の腕など、年齢を重ねて気になってきた部分を上手にカバーしてくれる洋服を作っています。

そのほかにも気になるのが首周り。開きすぎているとだらけた印象に見えてしまうし、かといってタートルで全て隠してしまうと、今度は顔に視線が行きすぎる。そんな悩みを解決できるように、首元の開き具合も調節しました。

素材はリネンなど、少し艶がある方が上品に見え、今の年齢に合っていると感じています」

40代後半から夢中になった、籐の魅力

「アクセサリーには、どんな服装にも合いやすく、さらに軽い印象に見せてくれる籐のバングルをつけることが多いです。

籐を使ったアクセサリー作りは、無心になれる時間が心地よく、40代後半になってから始めました。今では作り方を紹介した本の出版や、ワークショップも開催しています」

▲奥:ローズマリーと鉄で染めたもの、手前:コーヒーで染めたもの

「そのほかにも刺し子でバングルも作っています。昔から、郷土品や民藝など、暮らしの中で生まれた手作りのものが好きです。そのためこの刺し子も、民族の文様などをモチーフに作りました。

籐も刺し子も軽いので、大きめでもつけていて負担にならないところもお気に入りです」

▲ガラスの指輪:sirisiri

取材・協力

堀川波(ほりかわなみ)

イラストレーター・手工芸作家

大人のおしゃれや暮らしにまつわるイラストエッセイが人気を集める。『48歳からの毎日を楽しくするおしゃれ』(エクスナレッジ)、『籐で作るアクセサリーと小物』(誠文堂新光社)など30冊以上の著書を上梓。手仕事のワークショップも定期的に開催。Instagram:@horikawa._.nami

作家プロフィール

齋藤萌(さいとうめぐみ)

編集者・ライター・フォトグラファー

「土屋鞄製造所」「北欧、暮らしの道具店」など、3社にてWebメディアの編集・ライターを経験し、2021年に独立。暮らしまわりやものづくりに関わる取材・執筆が得意。またフォトグラファーとしても活動している。instagram:@megum_isaito

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