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【おしゃれのはじめの一歩】ポイントは着丈にあり。Tシャツをもっとおしゃれに着る秘訣

writer 齋藤萌

シンプルなデニムやTシャツを着ているだけでもおしゃれに見える人がいます。そういう方をよくよく見てみると、着こなしに工夫がある様子。

そこで今回の企画では“着こなし” に焦点をあて、いつものコーディネートをこなれた印象にアップデートできる小技の数々をご紹介します。

紹介してくださったのは雑誌やテレビなどでスタイリストとして活動する傍ら、一般の方に向けたLiltin’(リルティン)ファッションコーディネートサービスを運営している植村美智子(うえむらみちこ)さんです。

第6話目では「透けているトップスのインナー選び」についてご紹介しました。そして第7話でも夏にぴったりのトピック、「Tシャツをもっとおしゃれに着るコツ」についてうかがいました。

大人のTシャツは「着丈」に注目

汗ばむ季節にパッと着られるTシャツはとても頼もしいアイテムです。ただ時に子どもっぽく見えたり、手を抜いたコーディネートに見えてしまったりと、楽ちんな反面おしゃれに着こなすのが難しいアイテムでもあるのではないでしょうか。

そんな悩みを植村さんに打ち明けてみたところ、Tシャツの「着丈別」にちょっとした着こなしのコツを教えてくださいました。

早速、「ショート丈」「ミドル丈」「ロング丈」の3パターン別に、ポイントやおすすめの着こなしをご紹介します。

3種類の着丈別、Tシャツの着こなし方

Lesson1【ショート丈の場合】
ボリュームのあるボトムスと合わせる

Tシャツ ¥7,700 ICHI(ナチュランで販売中)/サンダル ¥19,800 ノヴェスタ(ノヴェスタジャパン)/その他、スタイリスト私物

植村さん
「腰骨辺りに裾がくるショート丈の場合、アクティブで元気なイメージが強いため、同じく溌剌と若々しい印象になるスキニータイプのボトムスを選んでしまうと、年齢に合わないチグハグな印象になってしまいがちです。

そこでおすすめなのは、エレガントさやきれいめな要素を加えられるバギーパンツやタック付きのパンツ、またはスカートなど、ボリュームがあるシルエットのボトムスと合わせることです。簡単な着こなしですが、このポイントを押さえるだけで気の利いた印象になりますよ」

Lesson2【ミドル丈の場合】
カーディガンを足して、お腹まわりを隠しつつ、インしてスッキリ!

▲Tシャツ ¥8,800 フィル デ フェール(フィル デ フェール たまプラーザ店 )/腰に巻いたカーディガン  ¥10,450 NARU(ナチュランで販売中)/スニーカー ¥25,300 ノヴェスタ(ノヴェスタジャパン)/その他、スタイリスト私物

植村さん
「大人の女性の場合、清潔感やきちんとした雰囲気を出すほうが似合いやすいため、できればTシャツはインして着るのがおすすめです。

ただミドル丈だと着丈が足りず、ふんわりインすることが難しいので、お腹まわりのシルエットが見えすぎてしまうという悩みに陥りがちです。

そこでご紹介したいのが、カーディガンを巻いてお腹まわりを上手に隠す、という着こなし方。カーディガンはボトムスの色と合わせると、コーディネートがまとまりやすくなります。今回はホワイトで合わせてみました」

Lesson3【ロング丈の場合】
インの仕方を工夫して、こなれ感アップ

▲スニーカー ¥12,650 ノヴェスタ(ノヴェスタジャパン)/その他、スタイリスト私物

植村さん
「高身長の方の場合は裾を出していてもバランスが取れる場合がありますが、平均的な身長の方や低めの方の場合、パジャマのように見えたり、サボりコーデのように見えたりしてしまう心配があります。なのでロング丈もやはりインして着るのがおすすめです。

ロング丈の場合は、インの仕方がポイント。裾を全て入れてしまうとボトムスのシルエットに響きやすいうえ、ラインが真っ直ぐになりすぎておしゃれに見えません。こなれた印象にするためには、インの仕方をちょっとだけ工夫してみてください」

一歩上のおしゃれをつくる!ロング丈のインの方法

Tシャツをインするのは前2箇所、後ろ1箇所、計3箇所のみです。まずは前(左右の骨盤の辺り2箇所)に、1〜2センチほどのタックをつくります。

引っ掛けるイメージで、タックを作った部分のみボトムスにインします。

後ろは背骨の辺りを1箇所インするのみ。こちらはタックはつくらなくて大丈夫です。

3箇所インしたら、ベルト部分を隠すようにTシャツをふんわりブラウジング。これでお腹まわりを隠しつつ、こなれた印象ができあがります。

Tシャツの着こなしを簡単にアップデートできる、ちょっとしたコツをご紹介しました。

丈夫で洗濯もしやすいTシャツは、暑い季節にとても頼もしいアイテムです。おしゃれな着こなしを身につけて、ぜひもっとTシャツを使ったコーディネートを楽しんでください。

次回は「季節のはざま。秋口に着る夏服」についてご紹介します。

撮影/安藤美穂
スタイリング/植村美智子
取材・文/齋藤萌

作家プロフィール

植村美智子(うえむらみちこ)

スタイリスト

文化服装学院卒業後、アシスタントを経て独立。2010年より個人向けファッションコーディネートサービス「Liltin’(リルティン)」をスタート。著書に『洋服の選び方』(マイナビ出版)、『「今の自分」に似合う服』(天然生活ブックス)など。『あさイチ』(NHK)をはじめテレビ、雑誌、新聞など多数のメディアで活躍する。https://uemuramichiko.com

齋藤萌(さいとうめぐみ)

編集者・ライター・フォトグラファー

「土屋鞄製造所」「北欧、暮らしの道具店」など、3社にてWebメディアの編集・ライターを経験し、2021年に独立。暮らしまわりやものづくりに関わる取材・執筆が得意。またフォトグラファーとしても活動している。instagram:@megum_isaito

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