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Mayamoonさん連載【緑が伝えてくれること】1月前半/台所仕事と温室の夢

writer Mayamoon

絵描き、詩人、ガーデナーとして活動するMayamoon(マヤムーン)さんの、緑がつないでいく12カ月の記録です。

新しい年がはじまりました。冬ならではの観葉植物の手入れや果物を煮る台所仕事、ワクワクするような未来を描いた夢ノートも披露!

忙しない日々の中でほっとひと息できるような、暮らしを楽しむ知恵がたくさん。今年もMayamoonさんのお庭便りををぜひお楽しみください。


ローズマリーのリース

新しい年がはじまり、ようやく日常が戻ってきた。
しばらくぶりの畑に様子を見に行く。
空気が乾燥していて、空は青く透き通っている。
畑での時間はゆっくりと流れる。
オレンジのカリフラワーが大きくなっている。
虫食いだらけの白菜、中は食べられるだろうか。

枯れたさつまいものつるが山積みになっている。
さつまいものつるはリースの土台にする。

冬も元気なローズマリーを切って、ローズマリーだけでリースを作る。
キッチンの壁に吊るして、料理の風味付けに使う。
キッチンに立つたびにローズマリーの香りに癒される。

身近にある植物を使って手を動かし何かを作ること。
お金をかけなくても工夫を凝らして日常に彩りを加えること。
うまくできなくても全然かまわない。
その過程と営みを楽しむことが私にとって大事なのだから。


果物を煮る

家の中は底冷え、靴下は2枚。
レッグウォーマーは欠かせない。
この冬はラダックの遊牧民が作ったヤクの靴下が大活躍している。

ガスストーブで足元を温められる位置にテーブルを移動する。
いつもと座る位置を変えただけで、目に入る景色が違って新鮮。
キッチンに置いてある赤いりんごが目にとまる。
思いついてりんごを煮ることに。

りんごは薄くスライスして砂糖をふってシナモンとクローブを入れて鍋で煮る。
透き通ってきて水分がなくなったら出来上がり。
これはバターをたっぷり塗ったパンにのせて食べる。
そのまま食べる予定だった金柑もついでに煮ることに。
金柑はつまようじで何ヵ所か穴をあけて、茹でこぼし、砂糖で煮る。
焦げないように時々かき混ぜる。
甘酸っぱさとほろ苦さがたまらない。

果物を煮ていると部屋中が良い香りで包まれる。
明日はこれをいれてパウンドケーキでも焼こうかな。


夢の温室

冬越しできない庭の鉢植えを室内へ入れる。
窓際に置きたいけれど、そんなにスペースがなくていつも困ってしまう。
観葉植物はなるべく冬は水やりを少なめに。
葉っぱは乾燥しないように霧吹きで水を与える。
一枚ずつ水に濡らした雑巾で拭いていく。
以前冬もせっせと水やりをしていたら、湿っている土にカビが生えてきたことがあって、このやり方になった。

いつか温室を作りたい。
冬はそこでポカポカお日様の光を感じながら植物の世話をしつつ、本を読んだりして過ごしたい。
南国のフルーツや花も育ててみたい。
水耕栽培もしてみたいなぁ~。
家と繋がっているサンルームでもいいなぁ……。
洗濯物もすぐ乾きそう。
でも夏は大変なことになりそう……笑

こうやっていろいろ妄想している時がとても楽しい。
絶対無理だと思うことでも、こうなったらいいなと想像することは自由。
私はこれをノートに描いてさらに楽しむ。
今まで描いてきたことも、実際に実現していることが結構あるので侮れない。
いつかこの夢が叶った後に、このノートを見返してどう思うのかな〜と考えるだけでニンマリする。

【写真提供】Mayamoonさん

作家プロフィール

Mayamoon(マヤムーン)

絵描き・詩人

絵描き、詩人として表現活動を続ける。オンラインコミュニティ「ノートと種まき」を運営するほか、暮らしにまつわる手仕事のワークショップ講師としても活動。庭で花やハーブを栽培、市民農園で無農薬、無肥料の家庭菜園を行い、植物との暮らしを発信している。instagram:@mayamoon0000

〈お庭の取材記事はこちらから〉

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