Mayamoonさん連載【緑が伝えてくれること】1月後半／必ず訪れる春に備えて

絵描き、詩人、ガーデナーとして活動するMayamoon（マヤムーン）さんの、緑がつないでいく12カ月の記録です。

いつか訪れる春を思いながら、今はまだ寒い季節ならではの景色や食を味わう日々。ぜんざいや揚げたてのコロッケに、心も体も温まるような1月後半のお庭日記です。

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氷とぜんざい

耳がちぎれそうに寒い朝、パジャマのままで庭にでる。
冷たい空気をいっぱい吸い込んだら自分の内側も少しは新しくなる気がする。
バケツにはった水に落ち葉が入ったまま表面が凍っている。
このまま溶けてしまえば何事もなかったように枯れ葉と水になる。
まるで人と人との関係のようだなぁと思う。
一時期だけ一緒にいてまたそれぞれの場所に戻っていく人たち。

お正月のお餅がまだあるのでぜんざいを作る。
小豆を圧力鍋で煮て砂糖をたっぷり、塩で味を調整する。
この塩加減がおいしさの秘訣。
甘くて体にも心にも沁みる。

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冬の桜

午前中に絵を描いて昼ご飯を食べてそれから散歩。
寒いけど歩いていると体がポカポカ温まってくる。
鳥の鳴き声を聞きながら沼のある公園を一周する。
水面に木々が写っていて美しい。
ススキは光を浴びて金色に輝いている。

今は閑散としている桜並木の下を歩いていく。
見上げれば青い空に、ゆっくりとつぼみを膨らませている桜の枝が見える。

桜は花が咲く時期だけちやほやされるけど、一年中この場所にいて、見上げればそこにある。
寒さに耐え、必ずくる春に備えている。
ひっそりと、でも力強く生きている気配。
ゴツゴツした幹をそっと撫でながら
「春までよろしく」
と伝える。

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畑から夜ご飯

自転車で畑へ。
夜ご飯に使えそうな野菜を自転車の後ろカゴに無造作に入れて帰る。
大根、カブ、ブロッコリーにカリフラワー。
家に帰ってボウルに水を張って野菜を洗う。
ブロッコリーとカリフラワーはとりあえず茹でておく。

大根菜はふりかけにする。
フライパンでごま油と炒めて、ニンニク醤油とみりんで味付け、最後にゴマをふりかける。
白いご飯が止まらないおいしさ。

収穫して保管してあるさつまいもを蒸してコロッケにする。
揚げ物は冬の楽しみ。
揚げたてのほくほくと甘味のあるさつまいものコロッケ。
やけどしないように頬張る。

今夜はコロッケ、早く帰っておいで。
と家族にメッセージを送る。

【写真提供】Mayamoonさん