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Mayamoonさん連載【緑が伝えてくれること】2月後半/じゃがいもの植え付けと自分メンテナンス

writer Mayamoon

絵描き、詩人、ガーデナーとして活動するMayamoon(マヤムーン)さんの、緑がつないでいく12カ月の記録です。

暖かくなったり寒くなったり、不安定な気候が続きますね。体調も天気と同じでいろいろな時がありますが、自然を味方に、自分を整える術を持っていることは、心と体のお守りになりそうです。

Mayamoonさんから届いた、2月後半のお庭日記をお楽しみください。


じゃがいもを植える

まだ残っている畑の冬野菜を片付けて春の準備をする。
赤いニンジンも今年最後の収穫。
土のなかでぐるぐると渦巻いていてかわいい。
採れた野菜は自転車の荷台に入れて持って帰る。

まだ2月なのに日差しは春のようにポカポカで、背中があたたかい。

今年もじゃがいもを植える。
じゃがいもはだいたい6月頃に収穫できる。
種芋を土のなかに埋めておくだけで、たった4ヶ月で立派な食用のじゃがいもになることに改めて驚く。

畑のおじさんたちがやってきて、今年はどの品種のじゃがいもを植えたか、どこで買っていくらだったかなどを、それぞれ報告してくる。

あそこの種芋は安いとか、過去にあった芋泥棒の話とか(孫を連れて芋掘りしにきたら全部捕られていた)毎年繰り返される同じ話題。
この平和な畑の一コマもいつか懐かしく愛おしくなる日々になるのだろうなと思う。


ロウバイの木とグラノーラ

あれっ、そういえば今年は……と思って見に行ったらやはりない。
毎年この時期に綺麗に咲いていたロウバイの木。
切り倒されていたことに今頃気付く。
まだ寒いこの時期に黄色い花がいち早く春を知らせてくれるシンボルだったのに……。

軽くショックを受け、ベンチに座って水筒のお茶を飲んで気持ちを落ち着かせる。
こうやって全ては移り変わっていく。
儚くも一瞬の今に自分は立っているのだと感じる。
人の家の敷地に生えている木にいつも結構楽しませてもらっていることに気付く。

家に帰っても色々考えて気分が沈んでしまうのでおやつを作ることに。
オートミールとナッツでグラノーラを作る。
ショウガのシロップを入れてショウガ味にする。
ラッピングまでして庭の植物で飾り付け。

すぐに元気になれるわけではなくても、自分で自分を慰める術をちゃんと持っているのは心強いことだなと思う。


体メンテナンス

水栽培のヒヤシンスが満開に。
うっとりするくらいよい香りに台所が包まれる。

体調を崩してしまってしばらく寝込んでいた。
ずいぶん元気になったけどまだ喉がスッキリしないので、朝晩に蒸気吸引をしている。

大きなボウルにお湯を張り、好みの精油をたらし、タオルを頭からかけて目を閉じ深呼吸してゆっくりと蒸気を吸い込む。
これがかなり気持ちよくてリラックスできる。
この時期乾燥しているので、これをやるだけでなんとなく肌の調子もよくなる気がする。

たまに体調を崩すと健康のありがたさを改めて感じる。
いつも動いている体は相当がんばってくれている。
唯一無二の自分の体をちゃんと労ってメンテナンスしていかないとだな。

失ってから気付くのでは遅い。
年を取っても元気でいられるように今できることからはじめよう。

【写真提供】Mayamoonさん

作家プロフィール

Mayamoon(マヤムーン)

絵描き・詩人

絵描き、詩人として表現活動を続ける。オンラインコミュニティ「ノートと種まき」を運営するほか、暮らしにまつわる手仕事のワークショップ講師としても活動。庭で花やハーブを栽培、市民農園で無農薬、無肥料の家庭菜園を行い、植物との暮らしを発信している。instagram:@mayamoon0000

〈お庭の取材記事はこちらから〉

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