読み物

Mayamoonさん連載【緑が伝えてくれること】7月後半/実がなるまでに得られるもの

writer Mayamoon

絵描き、詩人、ガーデナーとして活動するMayamoon(マヤムーン)さんの、緑がつないでいく12カ月の記録。

自宅のお庭や市民農園で育てるお花やハーブ、野菜たちは、心の平和を保つために大切なことを伝えてくれるようです。

4年越しに実がなったイチジク、つば広の麦わら帽子、五感を刺激するビーツの赤。緑からたくさんの喜びを受け取る、7月後半のお庭です。


イチジクの成長

イチジクの実の画像

4年ほど前にイチジクの苗木を庭に植えた。
膝くらいの高さだった苗木が、今は3メートルを越えるほどの大きさになっている。
夏が始まると同時に葉っぱがわさわさとつき、秋になると紅葉して葉を散らす。
今まで実がなることはなく、このままずっと実はならないのかな~と思っていた。
しかし今年になってなんと!
ふっくら膨らんだ実が何個もついている!

光をうけて輝くイチジクの木の画像

桃栗三年柿八年という言葉通り、何事も結果が出るまでには相応の時間がかかる。
私はせっかちな性格で待つことが苦手。
何に対してもすぐに成果を急いでしまう。
いつも早く結果を求めすぎて余計な手を加えて、それ自体をダメにしてしまうことも多々ある。
何事も成熟するまでには時間がかかる。
何かが実る過程で学べること。
それは結果以上に得るものがあるのかもしれない。
そんなことをイチジクの木が教えてくれる。


水やりと麦わら帽子

麦わら帽子とお庭の画像

朝起きて洗濯物をまわしている間に、花がらを摘みながら庭をパトロールする。
プランターの土の乾き具合を見て、水やりをする。
「かわいいね。元気そう!虫にやられちゃったね~」と心のなかで話しかけながら(時々口にも出ている)植物の様子を観察している。
この時期は夜になったらまた水やり。
朝と夜の植物の様子は明らかに違っている。
昼間の暑さにぐったりしている植物は、夜のうちに水をたっぷり吸収して、朝になるとまたイキイキと太陽の方を向いている。

麦わら帽子を被り庭作業をするマヤムーンさんの画像

夏の庭仕事では、なるべく紫外線を浴びないように気をつけたい。
でもなにせ面倒くさがりやのため、日焼け止めも塗らずに庭に出ることも多い。

そんな中、先日庭仕事にぴったりな麦わら帽子を買った。
春日部にある田中帽子店の直営店の帽子フェアで見つけた、一つずつ職人さんが手作りしている麦わら帽子。紐がついていて風が吹いても大丈夫。

つばが広くて通気性が良くて涼しい。
なんとなくジブリの映画に出てくる女の子が被っているような帽子。
これを被っているだけで映画の中の登場人物のような気分になって、暑い日の庭仕事が楽しくなる。
今日もこの帽子を被ってヒロイン気分で庭の水やりをする。


ビーツの赤

カラフルなビーツをココットに入れた画像

私にとって料理をすることは絵を描くことと少し似ている。
何が出来上がるか最後まで分からない。
手を動かして五感をフルに働かせて、素材を使って形や色を組み合わせる。
カラフルな彩りの野菜を料理するのが好きで、特に赤い野菜は重宝している。

毎年畑では2種類のビーツを育てている。
ひとつは実が真っ赤なもの、もうひとつは赤と白の渦巻き模様。
切り口がかわいくてときめく。

ビーツを使ったさまざまな料理の画像

葉っぱは生のままサラダにしてもいいし、湯がいてお浸しにもできる。
葉っぱの色は緑なのに、湯がいたお湯は真っ赤になるのが不思議。
ポタージュやスムージーにしても彩り鮮やか。
ビーツと夏野菜を塩麹で絡めて、庭にわさわさと生えているハーブをのせて、オーブン焼きにするのも夜ご飯の定番メニュー。
ポテトサラダにビーツをいれるとピンク色になってこれまたかわいい。

さて、そろそろ夕飯の時間。
今夜はどんな料理をお皿に描こうか。

【写真提供】Mayamoonさん

作家プロフィール

Mayamoon(マヤムーン)

絵描き・詩人

絵描き、詩人として表現活動を続ける。オンラインコミュニティ「ノートと種まき」を運営するほか、暮らしにまつわる手仕事のワークショップ講師としても活動。庭で花やハーブを栽培、市民農園で無農薬、無肥料の家庭菜園を行い、植物との暮らしを発信している。instagram:@mayamoon0000

〈お庭の取材記事はこちらから〉

読み物カテゴリー一覧
ページトップへ