読み物
Mayamoonさん連載【緑が伝えてくれること】8月後半/すぐそばにある豊かさ
writer Mayamoon
絵描き、詩人、ガーデナーとして活動するMayamoon(マヤムーン)さんの、緑がつないでいく12カ月の記録。
自宅のお庭や市民農園で育てるお花やハーブ、野菜たちは、心の平和を保つために大切なことを伝えてくれるようです。
爽やかな味わいのハーブティや紫蘇ジュースで、気分もリフレッシュ。8月後半のお庭便りです。
フレッシュハーブティ
朝早いうちに庭のハーブを摘む。
今日はグレープフルーツミントとレモンバームとキャットニップと紫蘇を少しずつ。
洗って茎から葉を取らずにそのままヤカンに入れて、水と一緒に火にかける。
麦茶のように作る我が家のブレンドハーブティ。
冷めたら冷蔵庫に入れて冷やしておく。
夏の間は冷たいハーブティを水筒に入れてお出かけする。
外出先で爽やかなハーブのお茶を飲むとホッとする。
いつも自分で気ままにブレンドしているので、同じ味は二度とできない。
どんなハーブを組み合わせてもスッキリした後味でおいしい。
庭では20種類ほどのハーブを育てている。
鉢植えのもの、地植えで毎年生えてくるもの、何度植えても淘汰されてしまうもの、すごい勢いで繁殖するもの、さまざまだ。
ローズゼラニウムやレモンマートルは特に香りがよい。
ミントだけでも数種類あって一番元気なのはアップルミント。
そろそろ花芽がつき、花が咲きそうなハーブが増えてきた。
フレッシュハーブティが楽しめるのは、春先から夏の時期にかけてだけ。
毎朝今日はどんなお茶にしようか、庭でハーブを摘み取る時間がたまらなく幸せだ。
目線を変えること
畑で巨大化したキュウリが地面に落ちているのを発見する。
昨日も畑に来たのにその時は気づかなかった。
緑の作物は葉っぱの色と同化してしまい見つけられず、採り忘れることが多々ある。
小さくてもすぐ目に入るものと、大きくても気づかないものがある。
普段立っている場所から、しゃがんで植物を見てみると、見える景色が全然違う。
蟻の動きもバッタの飛ぶ様子も、しゃがんで見るともっとイキイキしてくる。
今悩んでいることも、物事を一方からしか見ていないから起こるのかもなぁとちょっと思う。
目線を変えて違う方向から見たり、長い目で見たらもっと楽に感じられることもあるはず。
植物を見る目線を変えるように、日々起こる出来事もいろんな角度から見られるようになれたらなぁと思う。
赤紫蘇ジュース
紫蘇はこぼれ種で毎年繁殖していく。
青紫蘇だったはずのものが、時間がたつと赤紫蘇になってしまうことが時々ある。
多分花粉が交雑してしまったのだろう。
赤紫蘇はそのまま食べるには固いので、梅干しの色漬けに使ったり、ジュースにする。
赤紫蘇ジュースは夏の暑い日に飲むと生き返るおいしさ。
まずは赤紫蘇の葉を茎から取り、しっかり洗う。
お湯を沸かし、そこに赤紫蘇を入れて煮出す。
紫の色が充分に出たら葉っぱを濾す。(葉は水分がなくなるまで絞る)
その液体に砂糖と酢を加えてできあがり。
冷やして風呂あがりに飲むと最高。
何かおやつが欲しいときに、このジュースにゼラチンを入れてゼリーにする。
アイスより冷たすぎず甘すぎず、宝石のようにきれいな赤色のゼリー。
この時期だけの旬の材料で手作りしたものが、目の前にある豊かさを感じさせてくれる。
【写真提供】Mayamoonさん
作家プロフィール
Mayamoon(マヤムーン)
絵描き・詩人
絵描き、詩人として表現活動を続ける。オンラインコミュニティ「ノートと種まき」を運営するほか、暮らしにまつわる手仕事のワークショップ講師としても活動。庭で花やハーブを栽培、市民農園で無農薬、無肥料の家庭菜園を行い、植物との暮らしを発信している。instagram:@mayamoon0000
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