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Mayamoonさん連載【緑が伝えてくれること】9月後半/庭の恵みをおすそわけ

writer Mayamoon

絵描き、詩人、ガーデナーとして活動するMayamoon(マヤムーン)さんの、緑がつないでいく12カ月の記録。

自宅のお庭や市民農園で育てるお花やハーブ、野菜たちは、心の平和を保つために大切なことを伝えてくれるようです。

ようやく秋の風を感じられるようになってきた9月後半。緑を真ん中にした交流に、あたたかな気持ちをもらえるお庭便りが届きました。


流行りのスコップ

今日も畑へ。
借りている市民農園では、長年家庭菜園をやっている人たちがいる。
定年退職後のおじさんが大半で年代は60代から80代。
毎日畑にやってきては作業して、少し話をして、というのが日課になっているようだ。

彼らにとって私はまだまだひよっこで、野菜の育て方をいろいろアドバイスされる。
私がやっている無肥料栽培は全く理解されず、「それじゃダメだー」とダメ出しされることも多々ある。
でも何かと世話を焼いてくれて、彼らが育てた苗が畑に置いてあったり、収穫できた野菜をくれたりする。
私も珍しい野菜の種をあげたり、スマホの使い方を教えてあげたりしている。

最近畑のおじさんたちの間で流行っているスコップがある。
それは穴が空いたスコップ。
畑を耕すとき、穴から土が落ちていって、使い心地が軽い。
みんな高齢になって力がなくなっていっているので、重宝しているみたい。
畑の道具も年代に合わせて使いやすいものがあれば長く畑を続けられる。
いつか自分もこのスコップに助けてもらう日がくるのかなと思う。

普段なかなか触れ合わない世代の人たちとの交流も畑の醍醐味。
みんな元気で長生きして欲しい。


種まき

秋冬野菜の種を小さなポットにまく。
数日で芽が出てくる。
今回種をまいたのはキャベツ、はくさい、サンチュ、ケール、玉ねぎ、レタスミックス、ブロッコリー。
どれがどれか分からなくならないように、名前を書いた棒をさしておく。
芽が大きくなったら、畑に移植する。
毎朝水をやりながら芽を観察している。
意識しないと分からない変化だけど、確実に昨日より大きくなっている。

小さな種からこんなふうにそれぞれの芽を出すこと。
一つも同じものはない。
空にむかって伸びていく様子を見ていると、愛しくて胸がいっぱいになる。
ここから大きく育って収穫できるものもあれば、小さなままのもの、虫に食べられたり病気になってしまったりするものもある。
無事育って食べられるようになったら嬉しい。
でもそうならなくても、こうやって芽を出してくれたことに、なにより感謝の気持ちが湧いてくる。


イチジク葉茶

都内の素敵なお店を歩いていたら、イチジクの葉のお茶が売っていた。
イチジクの葉ってお茶にできるんだー!?と目からウロコ。

今年は初めてイチジクの実を収穫することができて沸き立った。
葉っぱも使えるなんて!とテンションが上がり、早速何枚か天日干しする。
乾燥させて細かくして煮出してみる。

飲んでみるとうっすらイチジク風味?
そんなにおいしいわけでもない……笑
フライパンで炒ったらもう少し味が濃くなるのかもしれない。

そのままでも飲めるけど、せっかくなので先日石川県で買ってきた加賀棒茶とブレンドしてみる。
棒茶のおいしさにイチジクの葉っぱの野性味がプラスされてとてもおいしくなった。
作ったブレンドティーはお茶パックに詰めて友人におすそわけ。
最後にオリジナルのシールを貼ってできあがり。

ちょっとしたお土産に自家製ブレンドティーを持っていく。
気軽な贈り物だけど、思わぬ庭の恵みをおすそわけできて嬉しくなる。

【写真提供】Mayamoonさん

作家プロフィール

Mayamoon(マヤムーン)

絵描き・詩人

絵描き、詩人として表現活動を続ける。オンラインコミュニティ「ノートと種まき」を運営するほか、暮らしにまつわる手仕事のワークショップ講師としても活動。庭で花やハーブを栽培、市民農園で無農薬、無肥料の家庭菜園を行い、植物との暮らしを発信している。instagram:@mayamoon0000

〈お庭の取材記事はこちらから〉

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