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エッセイスト・小川奈緒さん連載【だから暮らしはおもしろい】Vol.6  毎朝のヨガをこれからの人生の相棒に

writer 小川奈緒、illustrator 小池高弘

家づくりや暮らしにまつわる多くの著書や、音声メディアVoicyでも人気のエッセイスト・小川奈緒さんによる、毎日をちょっと楽しく、豊かにしてくれる連載コラム【だから暮らしはおもしろい 】。

毎月第1・3月曜日に更新中です!

早朝のリビングでヨガを学び直す

今年1月から4月までの3か月間、ヨガインストラクターの資格取得のための講座をオンラインで受講した。

30代のはじめからマイペースに続けてきたヨガを、指導者として伝えることも視野に入れて、一から学び直す挑戦。

昨年から50代という人生の新たなフェーズに入ったこと、2023年の年明けにスタートするタイミングもよくて、今取り組むこととしてふさわしいと思えた。

週5日、毎朝2時間を3か月、という受講を終え、最終課題の提出も完了し、心から「やってよかった」と思っている。

ヨガを始めたころは対面レッスンも受けていたし、この7年間はDVDを見ながら自主トレも続けていたため、基本的なポーズは体得している自負があった。

けれど、インストラクター講座を受講してみたら、意識する筋肉や呼吸のとり方、ポーズからポーズへと流れていく意味や目的、そもそもヨガが目指すものとは、という哲学に至るまで、知らなかったことばかり。

わたしが純粋に好きで続けてきたヨガは、こんなにも深く、魅力的な世界だったのかと、翌朝のレッスンが待ち遠しいくらいだった。

毎日体のどこかしらで起こる筋肉痛さえ、誇らしく感じるほどに。

年齢や地域を越えて共通の目的でつながれる仲間

指導してくれる先生はハワイ在住で、毎日オンラインでつながる。

受講する生徒は100人を越え、日本全国各地、なかには海外在住の人も混じって、肉体の構造やヨガの思想を学び、誰かの人生相談にみんなで向き合い、先生の声に合わせて全員で体を動かす。

なんて豊かな時間だろう、と思った。

大人になってから尊敬できる師に出会えたこともうれしい。

インストラクター資格をとる以上に、正解もゴールもないヨガに毎日コツコツと取り組みながら、心と体を地道に鍛え、しなやかに人生を進んでいく強さを積み上げていく。

その道を歩む仲間がたくさんいることが心強くて、好きなことを中心に集まる人たちは、年齢もバックグラウンドも関係なくつながり合えることを、受講を通して知った。

一生付き合っていく人生の相棒がいる心強さ

人生100年時代といわれる今、せっかくそんなに長く生きられるなら、できれば最後まで自分の体を使いたおしてみたい。

そう考えるとき、何歳になっても毎日続けられる自分のための運動を持っていることが、未来に向けた視界を明るくする。

歩くこと、走ること、筋トレ……楽しく続けられるならなんでもいい。わたしにとって、それはヨガだ。

その気持ちがこの先も揺らがない予感がするのは、今年の学び直しを通して、「ヨガが好き」という自分にとっての意味が、「趣味」から「人生の相棒」というレベルまで引き上がった気がするから。

相棒がいる後半の人生は、前半よりもっと楽しく、すこやかなものになるだろう。

作家プロフィール

小川奈緒(おがわなお)

エッセイスト、編集者

築47年の縁側つき和風住宅に暮らしながら、イラストレーターの夫・小池高弘と中学生の娘と暮らす。最新刊『すこやかなほうへ 今とこれからの暮らし方』(集英社)、近著『ただいま見直し中』(技術評論社)など著書多数。instagram:@nao_tabletalk

小池高弘(こいけたかひろ)

イラストレーター

のびやかで抜け感のある線画で、書籍や雑誌の挿画、オーダー作品などを手掛ける。小川奈緒との夫婦作品に『心地よさのありか』(パイ インターナショナル)、『家がおしえてくれること』(KADOKAWA)などがある。instagram:@takahiro_tabletalk

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