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【おしゃれの見つけ方】第13回 BROCANTE・松田尚美さん/「どうせ……」と諦めず、いつまでも自分らしいおしゃれを楽しみたい

writer 齋藤萌

1年に1着ずつ。気持ちを解放するためのワンピース

▲鮮やかな色が目を引く『ne Quittez pas(ヌキテパ)』のワンピース

「きっかけは、2人の息子の子離れでした。大きくなったので手間が減り、同じく自由な時間が増えた友人と久しぶりに買い物に出かけたんです。そしたら友人同士で『これが似合うよ』とお互いの洋服を選んでおしゃれをする時間がすごく楽しくて。その時に1年に数日は自分を思い切り解放する日を作ることにしたんです。

そんな解放的な気持ちに寄り添ってくれるのが、かわいいワンピースです。特にne Quittez pasのものが気に入っていて、1年に1枚ずつ買い集めています」

▲左:『dosa(ドーサ)』、右:『hugowar(ハグオーワー)』

「どうせ……」と諦めず、自分らしくおしゃれを楽しみ続けたい

松田さんが「BROCANTE」をオープンしてから20年。丁度その頃生まれたお子さんももう20歳になったといいます。オーナーとして母親として、そして一人の女性として、人生はもちろんおしゃれに関してもさまざまな変化があったであろう松田さんに、最後は今のおしゃれとどう向き合っているかをうかがいました。

「日々に追われ、そして年齢を重ねるてくると、おしゃれに対してやる気が起きないことが多くなるように思うんです。どうしてもラクな方に流れてしまう。

私がよく雑貨の買い付けに行っているフランスでは、ハイヒールを上手に履きこなしている年配の女性が多くいます。けれど私はそこまではできないですね。ただ『どうせ私なんて』と諦めてしまうのも気持ちよくないなと思うんです」

「それよりも『だったら』と考えたい。『だったら私はこうしたい』『だったら私にはこういうおしゃれが似合うかも』というように、今の自分を受け入れた上で、おしゃれを楽しんでいきたいんです。

例えば最近子育てがひと段落したので、それまでは汚れが気になって着ることができなかった白のワントーンコーデができるようになりました。それがうれしくて、つい黒はしばらく着ないぞと決めてしまったほどです。

今しか似合わない洋服もきっとあるはずだから、いつまでもおしゃれを楽しむ姿勢は忘れたくないですね」

撮影・取材・文/齋藤萌

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取材・協力

松田尚美(まつだなおみ) 

アンティークショップオーナー

アパレルの販売を経験後、東京都自由ヶ丘にある造園のプランニングとフランスの古道具を販売する「BROCANTE(ブロカント)」の店主・バイヤーとなる。家具・雑貨と植物が調和するセンス溢れる空間は多くのファンを持ち、自身のファッションやライフスタイルも注目されている。http://brocante-jp.biz/

作家プロフィール

齋藤萌(さいとうめぐみ)

編集者・ライター・フォトグラファー

「土屋鞄製造所」「北欧、暮らしの道具店」など、3社にてWebメディアの編集・ライターを経験し、2021年に独立。暮らしまわりやものづくりに関わる取材・執筆が得意。またフォトグラファーとしても活動している。instagram:@megum_isaito

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