読み物
【旅と日常のつながり】第3回 文筆家・ツレヅレハナコさん/非日常の旅が、日常の食生活を豊かにする
writer 加藤郷子
旅で買ったもので友人をもてなす、までが旅
ハナコさんの旅好きの原点は、18歳のときに行った台湾旅。
「一冊の本がきっかけでした。旅のスクラップブックのような本で、屋台料理がたくさん載っていて。そのうえ、1皿180円とか、価格まで書いてあったんです。これなら自分でも行ける!となりました」
自分のペースで食べたいからと、18歳にしてひとり旅! そしてやっぱり食べることが目的なのが、ハナコさんらしさです。
「何を食べてもおいしいし、台湾の人がやさしくて、すっかり味をしめました」
以来、20代はあちこちへ。欧米にも行きましたが、ハナコさんが惹かれるのは、圧倒的にアジアや中東。タイ、モロッコ、トルコ、ウズベキスタン、インド、スリランカ……と、たくさんの国名が挙がります。
「知らない味を探しに行きたいというのと、スクラップ&ビルド的なエネルギーに惹かれるんでしょうね」
どこへ行っても料理を教えてくれる人を探して、台所にお邪魔したり、参加したり、日本でいう益子のような器の町を旅のルートに組み込んだり。
「スリランカはまったく当てがなかったので、日本のスリランカ料理屋さんに食べに行って、お店の方に料理上手な現地の方を紹介してもらいました」。どこまでも、食に対して情熱的です!
知らない味を探し、そこで出会った食材や調味料、そして調理器具と器をかかえて持ち帰る。そこまですべてがセット。さらに、「家でそれらを使って料理をし、友人たちをもてなすまでが、私の旅です」。
コロナ禍で海外旅はご無沙汰しているというハナコさん。ここ数年は、国内をかなり精力的に旅していますが、そろそろ海外への旅も復活かも? ツレヅレハナコさんの旅と暮らし、どこまでも密接しながら、今後も続いていきます。
旅のおすそわけ写真①
旅のおすそわけ写真②
\おまけ/
撮影/松元絵里子(ツレヅレハナコさん提供分以外)
取材・文/加藤郷子
取材・協力
ツレヅレハナコ
文筆家
食と酒と旅を愛する文筆家。出版社勤務時代に呑み&食べ歩きブログを始め、以来、自分のアンテナでキャッチした「好き」なこと&ものを発信し続けている。近著に『47歳、ゆる晩酌はじめました』(KADOKAWA)。『ツレヅレハナコのおいしい名店旅行記』(世界文化社)、『ツレヅレハナコの南の島へ呑みに行こうよ! 』(光文社)など、旅の本も上梓している。Instagram:@turehana1
作家プロフィール
加藤郷子(かとうきょうこ)
編集者・ライター
出版社勤務を経て、独立。料理まわり、暮らしまわりの記事や書籍を編集、執筆している。編集を手がけた書籍に『北欧の日常、自分の暮らし』(桒原さやか著)、『日本の住まいで楽しむ 北欧インテリアのベーシック』(森百合子著)など。おうちで通える料理教室『Tabe/Tqu(タベツク)』の運営スタッフでもある。instagram:@chocozai