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新連載【おしゃれの見つけ方】第1回 バッグ作家・江面旨美さん/シンプルな装いに、小物で個性をプラス。大切なのは自分に似合うこと

バッグをかけている江面さんの写真

writer 齋藤萌

一癖あるアクセサリーで、華やかさを加える

アクセサリーをつけている手元の写真

さらにシンプルな装いに彩りを加えているのが、個性的なシルバーのアクセサリーや時計類。これもまた「自分に似合うかどうか」という視点で選んだものだそうです。

「小物を何もつけていない時期もありましたが、年齢を重ねたらなんだか寂しげで物足りなく感じるようになりました。そこで華やかさを足すためにシルバーアクセサリーをつけるようになったんです。

あえてゴツいものをセレクトしているのは、その方が私の手の形には似合っていると思えたから。さらに形はちょっとクセのあるものに。服がシンプルでも個性があるアクセサリーを合わせるだけで、より一層おしゃれを楽しめると思っています。

使っているのはROBERT LEE MORRIS(ロバートリー モリス)というブランドのものです。バングルはすっかり体に馴染み、もうかれこれ30年以上肌身離さず身につけています」

時計はObrey(オブレイ)やDUFA(ドゥッファ)のもの。普段はあまり使っておらず、お出かけなどの際にアクセサリーのような感覚で身につけているそうです。

「時計は、普段使っているシルバーアクセサリーとの相性で選んだものです。なので金具は全てシルバーで統一。

今はデジタルの時計も多く出回っていますが、私は文字盤のある昔ながらの時計の方が好み。それもあってどれも古道具屋でヴィンテージのものを購入しました」

腕時計の写真

お気に入りのバッグたち。心地よく使えるかも重要な要素

レザーバッグの写真

時計の他にもお出かけの際におしゃれをプラスしてくれるのが、バッグたち。江面さんは自身のブランドである「umami bags」のものを使っているそうです。

これらのバッグも、江面さんが日頃の生活の中で感じたことをベースに、暮らしぶりや自分の体に合うという視点で選ばれています。

「とにかく、楽な斜めがけのバッグが好きです。リュックと違い物を取り出す時も鞄を降ろす必要がなく、便利ですよね。

さらに自分で作ったバッグたちは、重さを軽減するために、ショルダーベルトを幅広にしたり、短くしたりする工夫を施しています。荷物が多い日も旅行のときも、重宝しているバッグたちです」

年齢を重ねてからは、元気に見えることを意識して

年齢やライフステージによって、何が似合うかは変化してゆくものです。最後に、江面さんがどうやって「自分に似合うもの」をアップデートしてきたのかを伺いました。

「その時々の自分に合ったものを選べるように、クローゼットを定期的に見直すようにしています。似合わなくなってしまったものは潔く手放し、判断がつかないものは無理に捨てることはせず、とりあえず寝かせておくんです。10年経ってからまた着るようになったものもあるんですよ。

今は、年齢を重ね、若く見せるよりも元気に見える方が得だなって思うようになりました。なのであえて髪は染めずに自分の変化を受け入れつつ、アクセサリーやメガネなど、デザイン性のある小物類で元気さを感じられるようにしています」

暮らし方も体型も年齢も人それぞれ違うからこそおしゃれに迷ってしまいますが、違うからこそ自分らしいおしゃれを楽しめるのも確かなのではないでしょうか。

江面さんのように無理せず背伸びせず、暮らしも見た目も自分らしい心地よさを追求した先に、その人だけの「似合う」があるのかもしれません。

撮影・取材・文/齋藤萌

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取材・協力

江面旨美(えづらよしみ)

バッグ作家

デザインや絵画を学んだ後、旧通産省の研修会でカバン作りを学び、1985年より皮革を使った手作りのバッグ「umami bags」の展示販売を行う。現在は年に2回のペースで全国で個展を開催。https://umamibags.net

作家プロフィール

齋藤萌(さいとうめぐみ)

編集者・ライター・フォトグラファー

「土屋鞄製造所」「北欧、暮らしの道具店」など、3社にてWebメディアの編集・ライターを経験し、2021年に独立。暮らしまわりやものづくりに関わる取材・執筆が得意。またフォトグラファーとしても活動している。instagram:@megum_isaito

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