カフェのマナー

街を歩くと素敵なカフェに出会い「今度入ってみよう」とちょっぴりワクワクすることはありませんか?

ひとりでホッとくつろいだり、本やパソコンを開いたり、友人たちとの楽しい会話や仕事の打ち合わせまで、今やカフェの存在はわたしたちの生活の中にすっかりとけこんでいます。一方で、身近な存在でありながら、カフェのマナーを意識することは少ないかもしれません。

今回は、より快適な楽しい時間が、お気に入りのカフェで過ごせるように見直しをしていきましょう。

目的に合わせてカフェを選ぶ

目的に合わせてカフェを選ぶ タイトルイメージ

隠れ家的なカフェから、写真映えを意識したおしゃれなカフェ。食事も品数があったり、打ち合わせや作業をしやすかったりするカフェなど、多種多様でそれぞれのお店にコンセプトや特徴があります。それを汲み取り、TPOを意識し臨機応変に場所選びをすることが大人のマナーと言えます。

隠れ家的なカフェ

落ちついている空間で、ていねいにコーヒーをドリップして、提供してくれるカフェ。カフェと言うより、「喫茶店」という言葉が合う昭和テイストなレトロな雰囲気のお店もあります。

隠れ家的なカフェは、こじんまりとしているので、ひとりでのんびりするときや、本を片手に自分時間を楽しむ空間として、利用しやすいでしょう。また少人数で静かに会話をするのにも適しています。

オーナーの方向性がある場合も配慮して、写真や動画を撮るときには、OKかどうかの確認をする心配りが必要です。また長時間いるときには、おかわりの飲み物を頼むと大人の対応と言えるでしょう。

写真映えするカフェ

お客様が写真を撮ることを歓迎しているカフェも数多くあります。お店づくりから、提供される飲み物やお食事など、盛りつけがおしゃれだったり、食器が素敵だったりと、ついつい写真を撮りたくなります。

まわりのお客様に配慮し、映り込みは最小限にしましょう。またSNSなどにアップする場合には、人を特定できないように、「ぼかし加工」を施しましょう。

仕事や作業にも利用しやすいカフェ

家や仕事場を出て、カフェで作業をする人も多いのではないでしょうか。無料Wi-Fiやコンセントが使える仕様のエリアを設けているカフェもあります。

数人で使用するときには、声の大きさなど周りに配慮しましょう。また、ひとりひとつずつ飲み物をオーダーすることもマナーです。

知り合いとカフェを利用する

知り合いとカフェを利用する タイトルイメージ

友だちと久しぶりに会って近況報告し合ったり、相談をしたり、あるいは何かの打ち合わせをする際にも、カフェはとても便利な場所です。相手に配慮しながら、楽しい時間や有意義な時間を過ごせるようにしましょう。

約束の仕方

  • 約束をする場合には、相手の都合に配慮しましょう。子どもが小さくて出られる時間帯に制約があるなど、相手の状況によってまちまちです。安心して出られる状況が当日有意義な時間を一緒に過ごせるコツです。
  • いそがしい相手であれば、先にいくつか日時を出してもらうと良いでしょう。比較的相手に余裕がある場合には、逆にこちらからいくつかの提案をすると、相手はその中からOKの日時を決めるだけなので、負担をかけないでしょう。
  • 約束の日時は、間違えないように気をつけましょう。13時を午後3時、14時を午後4時など、聞き間違えや書き間違えをしやすいものです。また近くなったら、念のため確認の連絡を入れると勘違いや間違いを回避できるでしょう。

カフェ選び

  • 相手と目的に合わせて、良い時間が過ごせそうなカフェを選びましょう。ゆっくり話したいのに賑やかなカフェだったり、楽しく会話をしたいのに静かなカフェだったりすると、自分たちと空間のミスマッチがおきます。相談して決めるのも良いですね。
  • なるべく相手からあまり遠くない場所を選びましょう。例えばお互いの家の中間地点を選ぶとか、遠いけれど、そのカフェに行きたいときには、車で相手を迎えにいくなど、配慮があると良いコミュニケーションが生まれそうです。

予約のマナー

  • 人気のあるカフェは混みやすいものです。複数で行くときには、可能な場合、予約を入れておくと安心です。せっかく行ったのに入れなかった、待たされて時間のロスになったということのないように心配りをしましょう。
  • 電話予約の場合は、お店のいそがしい時間帯を避けて電話しましょう。ランチをやっているお店は、11時半から13時半の間を避けると良いでしょう。こちらの情報を正確に簡潔に伝えられるよう、日時と人数、こちらの名前と連絡先をはっきり伝えましょう。また復唱確認をしてもらうことで、間違いを防げるでしょう。変更が出たときには、再度連絡を入れましょう。
  • サイトから申し込む際には、予約完了のメールが届きます。メールの内容に間違いがないか確認をしましょう。メールが届かないときは、申し込みができていない場合がありますので、もう一度チェックする必要があります。
  • 電話予約、サイトからのどちらの場合でも、リクエストがある場合には伝えることが可能です。例えば「窓際が空いていればお願いします」「落ち着いて話ができそうな奥の席をお願いします」など、希望を伝えましょう。リクエスト通りにならないかもしれませんが、快適な時間を過ごすために、店側に相談することは良いことです。
  • 赤ちゃんや小さい子どもがいる場合など、必要に応じてあらかじめ伝えておくと良いでしょう。化粧室に近い席をすすめてくれたり、ゆったり座れるソファー席を用意してくれたりするケースもあります。
  • 予約時間より大幅に遅れそうなときは、お店に連絡を入れましょう。なかなか到着しないと、余計な心配をかけてしまいます。

カフェの基本マナー

カフェの基本マナー タイトルイメージ

女子会のマナー

  • 気の合う集まりはとても楽しいものです。グループで集まるときには、誘い忘れがないようにしましょう。仲間とのコミュニケーションが、より良くなるためのひとときになると良いですね。
  • 自分が取りまとめ役をしている場合には、他の人よりも一足先に到着していると良いでしょう。遅れそうなときは、必ず仲間に連絡をいれましょう。
  • 女子会はとても楽しいですが、盛り上がり過ぎて、声が大きくなることがあります。周りへの配慮を忘れないようにしましょう。
  • 混んでいる場合は、だらだらと長居せずに適当な頃合いを見計らって、解散するか他の場所へ移動しましょう。混んでいない場合でも、長居するときには、追加でオーダーするなど、お店への気遣いがあるとお店側にとっても印象が良いですね。
  • 人数分のオーダーをしましょう。お店の中で、自分が持っていったボトルの飲み物を飲むので、オーダーをしないというのは、お店に対して失礼にあたります。
  • スタッフが注文したものを持ってきたときには、話を一度中断して、スムーズに置けるようにスペースを空けるなど協力しましょう。また「ありがとうございます」とひとことを添えられると良いでしょう。
  • 出るときには、散らかし放題にならないように気を配りましょう。食器やペーパー類を片付けやすいように簡単にまとめておくとスマートです。

会話のマナー

  • カフェは、いろいろなお客様がいます。特に複数で利用する場合は、ひとりでゆったりと時間を過ごしている人が近くにいるかもしれません。周りへの配慮も忘れないようにしましょう。
  • 人の悪口や噂話はなるべく控えた方が良いでしょう。人に聞こえたり、仲間内でも雰囲気が悪くなったりする可能性があります。その場では、他の人が否定をしなくても、それは単なる大人の対応かもしれません。楽しく会話をすることが望ましいです。

会計のマナー

  • 複数人いる場合は、個々の会計ではなく、ひとりが取りまとめた方が良い場合があります。混んでいるときに個人個人に対応するのは、時間がかかりますので、お店の状況に合わせましょう。
  • レジの前で、立ち止まってもたもたしていると迷惑がかかります。テーブルチェックができるお店なら、テーブルで会計をした方が良いでしょう。
  • 会計の際には、笑顔で「ごちそうさまでした」と一声感謝の気持ちが伝えられるとスマートですね。

その他

  • 大きい荷物やコートがある場合には、預かってもらえるか入口で確認をしましょう。
  • バッグは、マナーの基本として、テーブルの上に乗せてはいけません。カフェで用意してくれた籠に入れたり、背中と背もたれの間に置いたりしましょう。
  • 携帯電話の使用は、店外など人の迷惑にならないところでしましょう。

アフタヌーンティーのマナー

アフタヌーンティーのマナー タイトルイメージ

アフタヌーンティーとは

  • もともと、1840年頃にイギリスの上流階級の社交の場で午後のティータイムで提供されたスタイルです。サンドイッチとデザート(ペストリー)、温かい紅茶とともに楽しむ時間です。
  • 基本的には三段のティースタンドが使用されます。一番下がサンドイッチなどの甘くない食べ物、 真ん中がスコーンなど、一番上はデザートです。お店によってさまざまなアレンジがあるので、それぞれのカフェで、その特徴を楽しむのもいいですね。
  • 食べ物が乗ったティースタンドと共に、飲み物が提供されます。温かい紅茶が基本ですが、昨今はハーブティーなど、いろいろな飲み物をオーダーできるお店もあります。また、ウェルカムドリンクとしてスパークリングワインがついていたり、アミューズと呼ばれる食前のちょっとしたワンディッシュが出てきたりする場合も。

服装

  • アフタヌーンティーを楽しめるのは、ホテルのラウンジやおしゃれなカフェが多いでしょう。一概には言えませんが、時間的にも肌の露出は控えめにすることが望ましいです。
  • ワンピースやブラウスにスカートなど、「スマートカジュアル」を意識すると良いでしょう。ダメージジーンズや、サンダル、スニーカーなどは控えましょう。

食べ方

  • 順番
    三段の一番下の段のサンドイッチ類⇒中央のスコーンなど⇒一番上のデザートの順で、軽食からデザートと食べ進めていきます。ピクルスやサラダなどアミューズがある場合には、最初に食べましょう。 お店もその順番を意識して、味のバランスを整えています。
  • ナイフとフォーク
    基本的には、ナイフとフォークを使って取りわけたり、食べたりします。ただし、取りやすいように、小さなトングがついていたり、手でも食べたりしやすいように工夫がされている場合もあります。 パン類やスコーンは神聖なものとしてナイフではなく、手で食べた方が良いという考え方もあります。臨機応変に使い分けましょう。
  • サンドイッチ
    サンドイッチは、小さな一口サイズ、ペーパーで巻かれている、紙ナプキンが添えられているなど様々です。そのまま手で持って食べてもOKです。大きくて食べにくい場合は、自分のお皿に置き、フォークとナイフで一口大にカットしていただいても良いでしょう。
  • スコーン
    取り分けていったんお皿に置きます。そして、上下にスライスするように半分に割ります。ジャムやクリームなどを自分のお皿にとったら、スコーンに一口分ずつ乗せて食べるとエレガントです。スコーンの硬さによっては、手で割れにくい場合も。その際はナイフとフォークで切り分けます。ボロボロになりやすいので気をつけましょう。
  • スイーツ(ペストリー)
    シュークリームは、ナイフとフォークを使って半分に割り、食べやすい大きさに切りながら、いただきます。ミルフィーユは、倒れやすい場合には、あらかじめ横に倒してから、カットして食べます。そのままでも倒れない場合は、段をはずし一口大に切っていただくときれいに食べられます。

飲み方

  • ウェルカムドリンク
    ウェルカムドリンクでスパークリングワインなどが提供される場合には、メインである紅茶が出てくる前までにいただきましょう。目の高さに持ち上げ、乾杯をしてから飲みます。グラスは繊細なので、相手とグラスをあてないで乾杯した方がエレガントです。
  • 紅茶
    紅茶を飲むときは、基本的に、カップの持ち手に指を入れずにつまむようにして片手で持ち上げていただきます。下のソーサー部分は、テーブルに置いたままです。テーブルが遠かったり、低かったりした場合は、こぼすことを一番避けたいので、ソーサーごと胸の高さまで持ってきていただくと良いでしょう。 両手で包むように持つのは、スマートさに欠けるうえ、「紅茶がぬるい」と捉えられ、マナー違反なので気をつけましょう。
  • ティースプーンは、イギリス式ではカップの奧に置きます。手前だと、カップを持ち上げたときに落してしまうことがありますので、イギリス式に慣れると良いでしょう。
  • イギリス紅茶は、味がしっかりとしています。まずは、ストレートで紅茶本来の味を楽しみたいですね。ミルクにも良く合うので、ストレートで味わったあとは、ミルクを入れていただきましょう。
  • 紅茶のおかわりは、基本的にホストがします。スタッフがいれば、タイミングをみて注いでくれるでしょう。タイミングが合わなければ、自分で注ぎましょう。

まとめ

カフェで素敵な時間を過ごすイメージ

カフェをライフスタイルの中に上手に取り込むと、生活に広がりが出そうです。ぜひ基本マナーを意識しながら、素敵な時間を過ごしましょう。

監 修

監修いただいたのは、【日本サービスマナー協会】認定マナー講師 江頭美鈴先生です。

日本サービスマナー協会 認定マナー講師 江頭美鈴さん
江頭 美鈴さん

日本サービスマナー協会 認定マナー講師

マナーは、相手を思いやる気持ちが基本にあり、人と人とのつながりに潤いを与えてくれます。マナーの基本を知り、心豊かに日々を過ごせたら素敵ですね。イメージコンサルタントとしても、ブラッシュアップのお手伝いをしております。

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