暑い時期に届くお中元は、その心遣いがとても嬉しいものですね。
みなさんは、お中元をいただいたらお礼の気持ちをどの様に伝えていますか?
電話やメールなどでその日のうちにお礼と共に無事に届いたことを伝えることが多いかもしれません。
電話やメールは略式なので、本来はお礼状を送るのが大人のマナーです。
まずは電話で届いた旨を報告し、さらにお礼状を送るのも丁寧で良いでしょう。
今回は知っておきたい感謝の伝わるお中元のお礼状マナーについてご紹介します。
2024/7/30更新
お中元が届いたら
礼状を送るタイミング
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お中元が届いたら、その日か翌日にはお礼状を出しましょう。遅くとも3日以内が望ましいです。
礼状は、お礼の気持ちを伝えることはもちろんですが、「確かに届きました」という報告の役割もあります。出した側は、返事がないと無事に届いていないのではないかお気に召さなかったのかと大変不安になるものです。礼状がすぐに書けない時は、電話で気持ちを伝え、のちほどお礼のハガキなどを送りましょう。
また、やむを得ない事情で電話なども入れられないときは、お礼状にそのお詫びの言葉も添えて書き、1週間後くらいまでには出したいものです。
タイミングを逃しそのまま連絡をしないとか、残暑見舞いはがきを出す際にお礼の言葉も入れれば良いというのは失礼なので気をつけましょう。
確認をする
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・相手の確認
お中元が届いたらまずはじめにどこからいただいたのかをきちんと確認しましょう。
そして、包装紙を開けるときに、相手の住所や名前が貼ってある送付書を取り外しておきましょう。これは個人情報の管理面と、連絡先の確認のため、念のためにとっておきます。
・中身の確認
お中元が届いたらあとで開けようと思わずにすぐに中を確認しましょう。
開封せずにお礼を伝えるのは、大変失礼です。選んでくれた気持ちをしっかり受けとめるためにも、きちんと確認をしましょう。また、メッセージが同封されている場合もあるので注意しましょう。
・住所録の確認
お中元の送付書と自分の記録してある相手の住所や名前等の確認をしましょう。
住所が変わっていないか、電話番号や名前の漢字間違いがないかのダブルチェックをする良いタイミングです。
お礼状を書く前に
封書とはがきの使い分け
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一番丁寧なお礼状は、封書で縦書きに書きます。はがきは封書より略式ですが、基本的にお中元の礼状は、はがきで出しても問題ありません。はがきは手軽に出せるというのが最大の利点です。
お中元のお礼状は、迅速に送りたいものです。封書でお礼状を送るのは形式的で改まった印象があります。
相手が目上で特別にしきたりを重んじる場合、第三者の目に触れさせたくない内容の場合は封書を選択しましょう。
特に理由がない時には、すぐに送れるはがきがおすすめです。
はがきの準備
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お礼状は、なるべく早めに出すことが大切です。慌てない様に日頃から用意しておくと良いでしょう。
季節感のある挿絵が入っていると丁寧に一筆書くだけで温かみが伝わり印象が良いものです。 切手の買い置きをしている人は多いと思いますが、大人のマナーとして、はがきも常日頃から準備しておきましょう。
季節ごとの絵はがきの買い置きをしておくととても良いですね。
ペン選びと色選び
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儀礼的なお礼状は、毛筆や万年筆を使います。ボールペンは事務で使用するものですが、昨今は万年筆ですら、あまり多くの人は使っていません。カジュアルではありますが、特別なときを除いて昨今ではボールペンで書いても失礼にあたらないと考えられています。鉛筆はNGです。
色は、ブラックかブルーブラック、ブルーを選びましょう。
手書きがおすすめ
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ビジネスでの礼状はパソコンで作成しても構いませんが、個人宅に届くお中元のお礼状は、手書きがおすすめです。
お礼状は感謝の気持ちを伝えるものですから、うまい下手にかかわらず丁寧に自分の字で書きましょう。心がこもった文字から人柄が感じられ必ず喜んでいただけるでしょう。
注意点としては、文字を間違えたからと言って修正テープや修正ペンなどを使うのは失礼です。まずは別紙などに下書きをして、文面や文字の大きさや配置を考えてから、実際にはがきに書いていきましょう。
親しい相手には横書きでもOK
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改まったお礼状は、従来からある縦書きを用いますが、相手によっては横書きでも良いでしょう。
はがきは、受け取ったときの第一印象がとても大切です。相手との距離感を適切に捉え、横書きで親しみのあるお礼状にすることもおすすめです。
お礼状の書き方
お礼状の基本的な構成
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①頭語
頭語と結語は2つで1組です。「拝啓・敬具」「謹啓・謹白」「前略・早々」など。
相手に合わせて選びましょう。
②時候の挨拶
時候の挨拶は7月は「大暑の候」「盛夏の候」「猛暑の候」
8月は「晩夏の候」「立秋の候」「残暑の候」など
「熱帯夜の続く毎日ですが」「連日厳しい暑さが続いております」
「夜空に花火の一瞬のきらめきが美しく」
「年々暑さが厳しくなり、今年もすでに最高気温記録が更新されましたが」
③相手の健康・安否について
相手との関係によって書き方が変わります。
「○○様におかれましてはお元気でお過ごしのことと拝察いたしております」
「○○さん お元気でいらっしゃいますか」
④お礼と感謝の言葉
「このたびは 美味しい○○をお贈りいただき誠にありがとうございます」
「この度は お心遣いのお品を誠にありがとうございます」
⑤結びの挨拶として相手の健康や幸せを願う言葉
「暑さ厳の折 どうぞご自愛くださいませ」
「猛暑の折から 皆様方のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」
⑥結語と日付、差出人
頭語にあわせた結語を書きます。日付は正式には西暦・元号を用いますが、どちらも書かずに日付から書いても問題ありません。
お礼状はがきの例文
一般的に広く使える例文
拝啓 盛夏の候 ますますご清祥のことと
お慶び申し上げます
このたびはお心遣いのお品をお贈り頂き誠にありがとうございました
心より御礼申し上げます
暑さ厳しき折柄 どうぞご自愛くださいませ
まずは 書中をもってお礼申し上げます
敬具
○月○日
○○ ○○
友人・知人へのお礼状
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拝啓 今年の夏は例年より暑い日がつづくと言われておりますが
○○さんにおかれましてはお元気でお過ごしのことと
拝察申し上げます
さて この度は美味しい冷菓をお贈りいただき
誠にありがとうございました
子どもたちも大喜びです
どうぞ夏バテしないようにお身体には気をつけてくださいね
またお目にかかれる日を楽しみにしております
敬具
○月○日
○○ ○○
親族へのお礼状
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前略 夏真っ盛りの日々ですが
おかわりありませんか
こちらは家族みんな元気で過ごしております
このたびは大好きな地場産のお野菜をたくさんお送りいただき
ありがとうございました
どれも新鮮でとても美味しいです
いつも家族の健康を気遣ってくれて嬉しいです
今年の夏は厳しい暑さが長く続くそうです
くれぐれも体調を崩されませんように
気をつけてお過ごしくださいませ
早々
○月○日
○○ ○○
夫の代筆
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謹白 晩夏の候 ますますご清祥のことと
お慶び申し上げます
いつも主人が大変お世話になっております
この度はお心のこもった
結構なお品をご恵贈賜り誠にありがとうございました
御芳志のほど深謝申し上げます
時節柄 ご自愛のほどお祈り申し上げます
まずは略式ながら書中にて御礼申し上げます
敬具
○月○日
田中一郎
内
まとめ
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お礼状は感謝の気持ちを伝えると共に、贈り物がきちんと届いたことの報告でもあります。
1番大切なのは、なるべく早めにお礼状を出すことです。信頼関係がさらに増し良い人間関係が作れることと思います。
監 修
江頭 美鈴さん
日本サービスマナー協会 認定マナー講師
マナーは、相手を思いやる気持ちが基本にあり、人と人とのつながりに潤いを与えてくれます。マナーの基本を知り、心豊かに日々を過ごせたら素敵ですね。イメージコンサルタントとしても、ブラッシュアップのお手伝いをしております。