夏真っ盛り!思いっきり楽しみたい季節ですね。今年はホテルステイを予定している人もいらっしゃるのではないでしょうか。
日常から離れ、朝ゆっくり起きたり、家族や心を許せる人とご飯を食べたり、一日観光を楽しんで、夜はパリッとしたアイロンのかかったシーツが気持ちいいベッドに身を沈めるのも贅沢な時間です。
ホテルには、ビジネスホテル、シティホテル、ラグジュアリーホテル、またはリゾートホテルなどがあり、それぞれの目的に合わせて選ぶと良いでしょう。
今回は、知っておきたい「ホテルの宿泊マナー」をお届けします。ぜひ大切な人と素敵な夏の思い出をつくってくださいね。
事前準備
リクエストをする
ホテルでより快適に過ごすためには、希望があればあらかじめ電話などでお願いや相談をしましょう。例えば、喉が乾燥しやすいので加湿器を部屋に入れておいてもらったり、冷房で冷えやすいので毛布を用意しておいてもらったりと、無理な内容でなければホテル側は気持ち良くリクエストに答えてくれるでしょう。常識の範囲をこえて、無料で何かしてもらおうという考えは、マナー違反なので気をつけましょう。
車で行く場合
- ホテルによって、駐車場が完備されているところと無いところがあります。有料の場合、宿泊客は金額が割引になるケース、宿泊中は何度でも出し入れ自由など、そのシステムは多種多様です。事前予約が必要なホテルもありますので、行き当たりばったりではなく、事前確認をしておくと安心です。
- 当日は入口の車寄せに入り、準備をしていた同乗者は先に降りて、荷物をホテルスタッフにお願いするなど、スムーズに行いましょう。うしろから別の車やタクシーが来る可能性もありますので、スマートに行動することが大切です。
ホテルでの服装
ホテルの種類や雰囲気によって、きちんと感のある装いにするか、スマートカジュアルにするか、リゾートファッションで、ラフな服装にするかを考えましょう。ホテルの特徴やコンセプトはとても幅が広いので、TPOに合わせることが大切です。
ただし、泥汚れのついた靴だったり、海に寄った帰りで砂だらけだったり……ということのないようにしましょう。その場合は、着替えや履き替えを車の中に用意しておくことがマナーです。
到着時のマナー
チェックインのマナー
- ホテルにあらかじめ伝えてあるチェックインの時間より、大幅に遅れるときには、連絡を入れましょう。到着時間がずれるとホテル側では、もしかすると当日キャンセルなのか、日にちを間違えていないか、あるいは来る道中で何かあったのかと心配をするかもしれません。お客様はたくさんいるから気にしていないだろうと勝手な判断をせずに、特に夜遅くなるときには必ず連絡を入れることが大切です。
- ホテルでは、アーリーチェックインを行っているケースもあります。通常は、午後3時以降なら可能というホテルでも、その日の状態で早めにチェックインができる場合もあります。有料か無料かは、ホテルによって異なりますので、相談してみましょう。
- チェックイン時間よりも早く到着して、一旦荷物を先に預けておくこともほとんどのホテルで可能です。大きい荷物を持って出かけるよりも、ホテルのクロークに預けておくと良いでしょう。
ロビーや廊下でのマナー
- ロビーや廊下はパブリックスペースです。ホテルは家族連れがいたり、ゆったりとホテルステイを楽しむ人がいたり、目的はさまざまです。携帯電話で周りに聞こえるような大きな声で話したり、小さな子どもがいる場合には、安全のために走り回ったりしないように気をつけましょう。
- 写真を撮る際にも他の人の迷惑にならないようにすることが大切です。営利目的で動画を撮る際には、必ず許可をとりましょう。
- 廊下を通る際には、昼間であっても寝ている人がいるかもしれません。大声で話したり、走らないように静かに歩きましょう。
客室内でのマナー
部屋着やバスローブのマナー
部屋着やバスローブ、スリッパのままで部屋の外に出ることはマナー違反にあたります。しかし昨今は、大浴場やスパに行く際に、部屋着、スリッパのままで行っても良いというホテルが出てきています。それは、宿泊者以外の人と会わない作りになっていたり、ラグジュアリーにゆったり楽しんで欲しいというコンセプトのもと、階層やエレベーターを分けていたりと工夫がされているからです。その際は、案内があるので、自分で判断をしないようにしましょう。
バスルームのマナー
部屋の中のバスルームはホテルや部屋のグレードによって仕様が様々です。ビジネスホテルやシティホテルで多いのはユニットバスです。バスタブ、トイレ、洗面台が一緒になっているものです。バスルームでは、備え付けのバスマットをバスタブの外に敷きましょう。シャワーカーテンが掛かっている場合には、裾部分をバスタブの内側に入れます。バスタブの中で、シャワーを使っても、カーテンについた水滴は、バスタブの中に落ちます。カーテンが外に出ていると、シャワーのお湯が外に流れてしまい、洗面所の床が水浸しになるので気をつけましょう。
ハウスキーピングのマナー
- 連泊する場合には、ハウスキーパーが部屋に入ることがあります。またラグジュアリーホテルでは、日中の客室掃除とは別に、ターンダウンサービスという、夜の支度と共に簡単な片づけをしてくれるケースもあります。ターンダウンサービスは、カーテンを閉め、アメニティやミネラルウォーターの補充、夜仕様のベッドメイキング、ベッド周りの整理やゴミ箱などを空にし、心地よく夜の時間を過ごせるように整えるサービスです。宿泊者が夕食や外出から帰ってくる前の夕方から夜に行われます。
- ハウスキーパーが作業しやすいように、簡単に部屋を整えておきましょう。洋服はクローゼットにかけておき、ゴミや使ったグラスなどは、持っていきやすいように、まとめておきましょう。使用後の交換して欲しいタオル等は、まとめて分かるように置いておきます。スーツケースは閉めて、邪魔にならないところへ。貴重品等は、金庫に入れるか持って出ましょう。
- 掃除が必要ない場合には、「Do Not Disturb」のサイン、掃除をしてもらいたいときには、「Clean Up, Please」のサインを客室ドアの外側のノブに掛けておきましょう。また、掃除の希望時間があるときには、フロントや客室係に内線電話をして「〇時頃に外出するので、いない間にお願いしたいのですが」とリクエストをすることも可能です。
お食事のマナー
レストランでのマナー
- ホテルの朝食バイキングは、楽しみのひとつです。子どもたちも大喜びでしょう。レストラン内で走り回ったり、手で直接お料理を触ったりしないように気をつけましょう。
- スマートフォンなどで、音を出してゲームをしたり動画を見るのも控えましょう。
- 夜のレストランでは、ドレスコードがある場合も。事前に確認をしましょう。
ルームサービスのマナー
- 朝食やディナーで、レストランに行くのがおっくうなとき、また少しお腹がすいたので、出かけずに何かを食べたいときは、ルームサービスが便利です。部屋の中にメニューがあるので、内線電話でオーダーしましょう。値段は割高傾向ですが、リラックスして部屋で飲食できるので、状況に合わせて利用できると快適でしょう。
- 食べ終わったら、サービス係に連絡をし、片づけにきてもらいましょう。または、ルームサービスはワゴンで運ばれてくることが多いので、食べ終わったお皿は重ねたり、蓋のあるものは元に戻したり、見苦しくないようにワゴンに乗せて入口の外に置いておきましょう。スタッフが食べ終わった頃に片づけてくれます。
昨今、廊下に出しておくと邪魔になるからやめて欲しいという意見もあるようなので、あらかじめ料理を運んできたスタッフに、食べ終わったらどのようにすれば良いか確認することも必要です。部屋が広い場合には、そのまま室内に置いておき、清掃のときに持って行ってもらうこともできますが、匂いが気になることもあるので、早めに片づけてもらった方が良いでしょう。
帰るときのマナー
持ち帰り可能なもの
- アメニティグッズである個人用の石鹸、歯ブラシ、カミソリなど、袋に入っているヘアブラシ、ヘアゴムや綿棒の消耗品は持ち帰り可能です。備え付けの大きなボトルのシャンプー類、バスローブやバスタオル、ヘアードライヤー、置物、グラスなどの持ち帰りがマナー違反なのはあたりまえです。
- お茶などのティーバックや、棚の上などに置いてあるミネラルウォーターも自由に飲めるように置いてある場合、持ち帰りOKです。
- 冷蔵庫の中のミネラルウォーターやジュース類、アルコール、お菓子などは有料です。有料の場合は、チェックをする価格表が近くに置いてあるので、飲んだ時に記入して、チェックアウト時に申告しましょう。
- 電話のそばなどには、メモ帳やレターセット、ホテルオリジナルのボールペンが置いてあります。持って行って良いのか迷うところですが、こちらはホテルによって捉え方が様々です。基本的にはNGとしていても、必要で持って行った場合は消耗品のひとつとして、容認しているところがほとんどです。メモ帳の台や目覚まし時計は、持ち帰らないようにしましょう。持ち帰りNGのものを持っていくと、あとで別料金を請求されることもあります。
- クローゼットに傘が入っていることもあります。こちらも観光用なので、持ち帰りはNGです。
- 部屋着やバスローブやタオルなど、気に入ったものは、オリジナルグッズとして、ホテルのショップで販売しているのでお土産に購入すると良い思い出になりますね。
- リゾート地では、海へ行くときなどに使う外出用バッグやビーチサンダルなどが置いてあります。持ち帰り可能な場合もあるので、迷う時は必ずホテルに確認しましょう。
チェックアウトのマナー
- 部屋を出るときには、ゴミを分別し、燃えるものはゴミ箱の中へ、燃えない瓶や缶は一緒にせずに、ゴミ箱付近にまとめて置いておきましょう。
- 使用したタオルやバスローブ、バスマットは、まとめてバスタブの中にいれましょう。きれいにたたみ直して、元通りにかけておくと、ハウスキーパーが使用済みかどうか迷うかもしれません。分かりやすく区別しておくのもマナーのひとつです。
- 使った部屋のグラス等も、テーブルの上などにまとめて置いておきましょう。
- 万が一備品を破損した場合には、フロントでチェックアウトの際に、必ず伝えましょう。
- 荷物が多くある場合には、内線電話で客室係に取りに来てもらうこともできます。チェックアウト後、観光などに行きたい場合には、預かってくれる場合が多いので、相談してみましょう。
まとめ
ホテル滞在中に分からないことや疑問に感じることがあったら気軽に尋ねて、ホテルでの心地良い時間を堪能しましょう。マナーを守りながら、自分も周りも気持ちよいホテルステイが楽しめたら素晴らしいですね。
監 修
江頭 美鈴さん
日本サービスマナー協会 認定マナー講師
マナーは、相手を思いやる気持ちが基本にあり、人と人とのつながりに潤いを与えてくれます。マナーの基本を知り、心豊かに日々を過ごせたら素敵ですね。イメージコンサルタントとしても、ブラッシュアップのお手伝いをしております。