大人のマナー「卒園式・卒業式、謝恩会」

もうすぐ卒園式・卒業式のシーズンですね。我が子の新しい門出を祝い、お世話になった先生方や学び舎へ感謝の気持ちを表す大切な式典です。
晴れの日の主役はあくまでも子供。しかし、お母さんの装いやマナーも気になるところではないでしょうか。
素晴らしい思い出となるようポイントを確認しておきましょう。

日本サービスマナー協会 認定マナー講師 中村裕美子さん
中村裕美子さん

日本サービスマナー協会 認定マナー講師

自身の子育て経験を活かし、日常のあらゆるシーンのマナーを教えています。相手を大切にし、自分自身も大切にする方法の一つとしてマナーを学ぶことをお勧めしたいと思います。

装いのマナー

服装選び

卒園式・卒業式は略礼服(セミフォーマル)での参加が基本です。スーツやパンツスーツ、ワンピースにジャケットを羽織るのもいいでしょう。
色についてマナーの決まりがあるわけではありませんが、黒やネイビー、グレーなどのダークカラーが主流です。

アクセサリー選び

ネックレスはパールやコットンパールなど上品なものを。コサージュは着けるだけで華やかなアクセントになります。華美になりすぎないように注意しましょう。

靴・ストッキング選び

靴はダークカラーのパンプスがおすすめです。会場までは園庭や校庭など砂地を通らなければならないこともあります。極端なハイヒールやピンヒールは歩きにくく、控えたほうが無難です。
ストッキングの色は肌色に近いベージュが主流ですがでも大丈夫です。一方、厚手のタイツはカジュアルな印象になりますので避けましょう。寒さが気になる場合はパンツスーツにしたり、スカート丈を少し長めにしたりするといいでしょう。

バッグ選び

フォーマル感のある小さめの物がおすすめです。色は服装に合わせて、黒やベージュを選ぶと全体がまとまります。荷物が多くなる場合はサブバッグを持っていくと安心です。

メイク・ヘアメイクのポイント

顔回りをスッキリさせたヘアスタイルで清潔な印象を心がけましょう。フォーマルな場でのノーメイクは基本的にNG。ナチュラルメイクで大丈夫ですので、ノーメイクは避けましょう。暗い色の洋服の時はポイントメイクを少し濃いめにすると顔色が良く見えます。
また、受付や記念品の受け渡しの際にネイルが剥げ落ちていると残念な印象になります。ネイルも華美なデザインなものは極力避け、落ち着いたカラーで上品なデザインのネイルが好ましいでしょう。

事前確認を忘れずに

スーツにしわや汚れはありませんか?靴はピカピカに磨かれていますか?事前にクローゼットから出して確認しておけば当日に慌てることはありません。清潔感のある装いを心がけましょう。

※注意 園や学校独自の規則がある場合や服装の傾向がある場合もあります。規則はあらかじめ確認を。服装の傾向は先輩ママや先生に話を聞いておくことをおすすめします。

事前準備

会場までの移動手段・時間を調べましょう

当日は駐車・駐輪スペースが無い場合があります。事前配布されるプリントなどを読み、普段と異なる交通手段の場合は所要時間の確認をしましょう。

参加人数を確認しましょう

会場の広さによっては保護者席の数がギリギリの場合があります。園や学校によっては参加人数を制限することもありますので、親戚や祖父母に声をかける前に確認を。

開園時刻、終了時刻を確認しましょう

園や学校生活最後の大切な式典です。遅刻はしないようにしましょう。またお子さんが教室から出てくる時刻があらかじめ分かっていればゆとりのある式後の計画を立てることができます。

持ち物の準備

あると便利な持ち物リストをご紹介します。

サブバッグ

スリッパや靴を持参する際や配布物や記念品を持ち帰る際などに使用します。デザインがシンプルで落ち着いた色のものが上品です。
スリッパや靴を入れる場合は他の物が汚れないようにカバーするビニール袋などの用意も忘れずに。布製の靴入れ袋はきちんと感がありますね。

スリッパ

靴で会場に入れる園や学校以外では持参しましょう。黒や紺色の式典用スリッパはきちんと感がでます。

カイロやストール

暖房設備がない会場では寒さが気になることも。カイロやストール、ひざ掛けなどの防寒具があると便利です。ストールやひざ掛けは華美すぎないものを選ぶといいでしょう。

予備のストッキング

式典に向かうまでの道中にうっかり伝線してしまうこともあります。予備を一足用意しておくと安心ですね。

ハンカチ・ミニタオル、ティッシュ

卒園式や卒業式では我が子の成長した姿に感極まって涙してしまう、なんてことも。バッグの中でかさばらないハンカチなどを用意しておきましょう。

カメラ・ビデオカメラ

大切な晴れの日は是非記録に残したいですね。前日までに必ず充電をしておきましょう。

筆記用具

連絡先交換などに使う場合があります。

式典のマナー

卒園・卒業生みんなにお祝いの気持ちを

我が子以外のお友達にも惜しみない拍手を送りましょう。

お世話になった先生方へ感謝の気持ちを持ちましょう

「大変お世話になりました。ありがとうございます。」と感謝の言葉を伝えましょう。

席の確保は最小限に

保護者席の数に限りがある場合があります。荷物を空席に置くことはやめましょう。

携帯電話は鳴らないように

携帯電話などは学校に到着した時点でマナーモードにしましょう。

撮影・録画は周りに配慮を

我が子の姿を写真に収めたい気持ちは皆同じです。立ち上がったり歩き回ったりして撮影するのはマナー違反です。また、あらかじめ撮影場所が指定されている場合もありますので案内に従いましょう。

SNSへの投稿はご注意を

SNSへの写真掲載はなるべく控えましょう。園や学校によっては禁止していることもありますのでルールを確認しましょう。どうしても掲載する場合は他のお子さんが写っていないものを選ぶか、顔を隠すなどの配慮を。

謝恩会のマナー

謝恩会とはお世話になった先生方に感謝の気持ちを伝える会です。幼稚園では主催者は保護者、小学校では卒業生と保護者が協力しながら行うこともあります。先生方と子供たちが楽しく過ごせるよう気を配ることが大切です。

謝恩会の服装

卒園式や卒業式から
そのまま謝恩会場へ移動する場合

着替える時間はありませんので、ほとんどの保護者が式と同じ服装で参加します。アクセサリーを明るめのコサージュやネックレスに付けかえると華やかさがアップします。

式の終了から時間が空く場合や
別日に行う場合

会場にもよりますが、基本的にこちらも略礼服(セミフォーマル)を選びます。式ではダークカラーを選んだ場合でも謝恩会はベージュなど明るい色でも大丈夫です。子供たちとダンスなどの出し物をすることがあらかじめ分かっている場合はパンツスーツなど動きやすい服装だといいですね。コサージュやスカーフで華やかさを出すと素敵です。

園や学校によってはカジュアルに居酒屋で行う場合や盛大にホテルで行う場合もあります。それぞれ服装が変わってきますので事前に確認をしましょう。いずれにしても主役は先生方と子供たちです。派手すぎる服装やアクセサリーは控えましょう

お祝いをいただいた時のマナー

卒業祝いのお返しは基本的に必要がないとされています。しかし、お祝いを頂いたお礼を伝えるのは大切です。最も丁寧な方法は直接会ってお礼を言うことですが、都合がつかない場合はすぐに電話でお礼を伝えたのちにお礼状を出しましょう。お礼状は子供本人が書くと成長を感じられ喜ばれます。また、年齢が低く本人がお礼状を書くことが難しい場合は、親が書いても問題ありません。その際は、お礼状と一緒にお子さんの写真等を同封すると良いでしょう。
お返しをする場合は日持ちするお菓子などを贈るといいでしょう。水引は紅白の蝶結びを選び、のしには「内祝」とお祝いを贈られた子供の名前を書きます。

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