お正月は日本人にとって最も特別な行事と言っても過言ではありません。結婚して家庭を持ってもお正月は実家に帰省し、家族や親族と共に新年を迎える方も多いでしょう。気心の知れた自分自身の実家ではなく義実家へ帰省する場合は、多少なりとも緊張するものです。
また、受け入れる義実家もお嫁さんやお婿さんに気を遣うことがあるでしょう。今回は義実家へ帰省する側・される側の両面から気を付けておきたいポイントをまとめました。
帰省を決める前に…
年末年始の過ごし方は各家庭によって大きく異なります。たくさんの親戚が集まる家庭もあれば、各々旅行にでかける家庭もありますね。まずは夫婦でお互いの実家がどのようにお正月を過ごしているのか話し合いましょう。お互いの違いを尊重して気持ちよく新年を迎えましょう。
スケジュールの調整
帰省の予定を知らせる
帰省しようと決めたら、早めに義実家へ連絡を。
お節やお部屋の準備は意外と時間がかかるものです。特にお節は1ヶ月以上前から準備を始めることもあります。迎え入れる側に配慮し、余裕を持って計画を立てましょう。
宿泊について
義実家が遠方の場合など、日帰りの帰省が難しいことがあります。また、新年は家族みんなで泊まって迎える習慣がある場合は、近所であっても義実家への宿泊を勧められるとこもあるかもしれません。いずれにしても義実家に十分なスペースがあり義両親が歓迎しているなら甘えさせてもらいましょう。
しかし、義両親の負担になる場合は配慮が必要です。遠方の場合はホテルなどの手配が必要になることもあります。帰省の予定を伝える時に、義両親の都合も伺い、予算などを調整して最終的にどこに泊まるかを決めるといいでしょう。
帰省の準備
帰省する側の準備
手土産
- 義実家に帰省する時は1年の締めくくりと年始の挨拶の気持ちを込めて手土産を持参しましょう。
家族みんなで食べられる食品が喜ばれるようです。義両親との関係性にもよりますが、生ものは避けたほうが無難です。調理の手間をかけさせてしまいますし、保存するにしても場所を取ります。特に初めての帰省の場合はお菓子など日持ちして、かつ、すぐに食べられるものがおすすめです。 お年玉
- 子供たちにとってお年玉はお正月の楽しみのひとつです。義兄弟の子供たちや親しい親族などと会うことが分かっている場合は、事前にお年玉を用意しておきましょう。
また、急に挨拶に来る親戚などもいるかもしれません。その場にいる子供たちの中で、「この子はもらったけど、この子にはない」という状況は避けたいもの。予備のお年玉袋と現金を用意しておくと安心です。
帰省される側の準備
食事を用意する場合はアレルギーの有無を確認しておく方がよいでしょう。
去年は大丈夫だった卵や小麦粉がダメになったなどということもあります。特に小さなお孫さんがいらっしゃる場合は注意が必要です。また、小さなお孫さんの安全への配慮も大切です。怪我の原因になりそうなものはよけておくなど、家の中のチェックをしておきましょう。
服装
帰省する側の配慮
家事の手伝いのため動きやすい服装がおすすめですが、新年は衣服もきちんと整えて迎える習慣がある家庭も多いもの。ジーンズやジャージなどカジュアルすぎるものは避け、動きやすいけれどキチンと感もあるものがいいでしょう。
ゆったりとしたワンピースやきれいめのパンツスタイルなどもいいですね。洋服と一緒にエプロンの準備も忘れずに。
帰省される側の配慮
除夜の鐘つきや三社参りなどの予定がある場合は事前に伝えておくと、防寒着や歩きやすい靴を準備できるので親切です。また、本家に挨拶に行くなどフォーマルウェアが必要な場合もあらかじめ連絡しておきましょう。
こんなときどうする?
お風呂の順番
「家長は一番風呂」「お客様は一番風呂」と、その家庭ならではのルールがあることがあります。その場合は、義両親が定めた順番通りにお風呂に入りましょう。家庭によっては、お婿さんやお嫁さんが一番風呂を勧められることもあります。ちょっと迷ってしまいそうですが、義両親の厚意は素直に受け取ってよいでしょう。もし社交辞令かもしれないと思う場合は「お先にいいんですか?」と確認すると安心ですね。いずれにしてもお風呂の後は軽く掃除するなどの配慮を。
寝起きの時間
お邪魔する側として、義実家の生活時間に合わせましょう。義母が早く起きて朝食の準備をする家庭なら、お嫁さんも一緒に起きる方がいいかもしれません。しかし、朝は1人でゆっくり家事をしたい義母さんもいらっしゃいます。「明朝はどうしますか?」と伺って、「みんなゆっくり寝ましょう」と言われたなら、素直に従ってよいでしょう。ただし、あくまでも大人として節度のある行動を。ダラダラ過ごすのはおすすめしません。
食卓の座席
家長が上座で妻は台所との行き来がしやすい席など、家庭によって席が決まっていることがよくあります。まずは義両親に確認を。家事の手伝いをすることを考えると、お嫁さんも台所に行きやすい席の方がいいかもしれませんね。
帰省を断りたい時
帰省する側もされる側も、その時の状況によって断りたい場面があることは自然なことです。旅行の予定が入った、子供が生まれて間もないので自宅で過ごしたいなど、理由を素直に伝えて帰省を遠慮させてもらいましょう。気を付けたいのは伝える時期です。毎年集まるのが当然の家庭では、帰省する側もされる側も早くから準備している可能性があります。予定があって会えない旨を早めに伝えておく方が親切です。
監 修
中村裕美子さん
日本サービスマナー協会 認定マナー講師
自身の子育て経験を活かし、日常のあらゆるシーンのマナーを教えています。相手を大切にし、自分自身も大切にする方法の一つとしてマナーを学ぶことをお勧めしたいと思います。