これまでコロナ禍の影響で、家にお客様を招くことを控えなければいけない状況が続きました。また同時に、人と直接会って話すこと、一緒の時間を共有することの大切さをあらためて感じられたのではないでしょうか。
今回は、お客様を家にお招きするときの「来客のマナー」についてお届けします。「また来たい」と思われるようなおもてなしの基本を見直しましょう。 またコロナ感染症予防対策も含めて、日頃からお迎えする心がけをしておくと、今後、急なお客様がいらしても安心ですね。
事前準備
お客様を自宅に招くときは、事前準備が大切です。
相手との関係性やお招きする時間帯、季節などにより多少の違いがあるものの基本マナーは一緒です。
食事を出すか出さないのか、どの様な目的でいらっしゃるのかを考慮して準備をすすめていきましょう。
またお迎えする前に、コロナ感染症予防対策をして安心の中でお迎えしましょう。
その他、必ず使用する玄関・客間・トイレの3カ所は、きれいに掃除をしておきましょう。不要なものも片づけ、花を飾ると歓迎の心が伝わりますよ。
玄関
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・玄関は、その家の印象を決めます。きれいに掃除をしておくと共に、家族の靴は下駄箱にしまっておきます。なるべくスッキリ見えるように、片づけをしスリッパを人数分出しておきましょう。
・コロナ対策として、お客様が触れる可能性のあるドアノブなどは玄関に限らず消毒しておきましょ う。またアルコールの手指消毒液を入り口にも置いておきましょう。
・雨の日は、玄関の分かる場所に傘立てを出しておきましょう。タオルも用意しておくと良いです ね。
商品紹介
客間
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・日頃の雑然とした生活が垣間見えない様に、掃除と片づけはしっかりとしましょう。
また、テレビ周りのほこりは意外と目立ちやすいものです。カーテンもきれいに整えてまとめておきま しょう。
・オープンキッチンで内側が見える場合には、清潔感が感じられるように、この機会にしっかりときれいに片づけておくと良いですね。
・和室の場合には、床の間に季節の花を生けるなど、おもてなしの気持ちをさりげなく表しましょう。
・座布団は普段使いのものでなくお客様用を準備しましょう。座布団のしめ糸が片面だけある場合には 房がある方が表面です。また縫い目のない輪になっている側を正面にします。チャックは後ろです。
・お客様がお子様連れの場合、はさみなどの危ないものや高価な置物、壊されると困るものはあらかじめしまっておきましょう。
・お迎えする少し前からエアコンなどで快適な室温にしておきましょう。
・客間にもハンドジェルやティッシュ、ペーパータオルなどを置いておきましょう。
商品紹介
リネンコット高性能コードレスハンディクリーナー・MONTANC(ホワイト)
より強力に、より軽く、よりスタイリッシュなハンディクリーナーです。ノズルアタッチメントと組み合わせることで更なる威力を発揮します。フローリングの角や、小さな隙間でもホコリを残さずにお掃除できます。携帯に便利で階段や車のお掃除にも快適です。
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蓋が外せるブレッドケースタワー(ブラック)
竹とスチールの組み合わせが美しい、シンプルなブレッドケース。ごちゃつきがちなパンや調味料などをまとめて収納できます。蓋はパンを切る際のカッティングボートとしても使用可能。本体はスチール製で、マグネットでレシピやフックなどを貼りつけることができます。無駄のないモダンなデザインがキッチンをおしゃれにしてくれます。
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トイレ
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・トイレカバーやマットは洗ってある新しい物に替えましょう。
・手を拭くタオルは1枚を複数人で使用するのではなく。小さめのハンドタオルを用意しましょう。
また、使用済みのハンドタオルを入れる籠なども用意しておきましょう。
・トイレットペーパーの残量が少なければ交換しておきましょう。お客様が使用中に途中で切れないように配慮することも大切です。
・トイレの手洗い用の水回りや鏡などを磨き、換気も充分にしましょう。
・手洗い石鹸や消毒液を置いておくのも忘れずに。
・直前のチェックも含めて自分のトイレはお客様の到着前にすませておきましょう。基本的にお迎えしてから使用することがないようにします。
商品紹介
無添加 便器や床にも使えるトイレの洗剤(カラー1)
植物とミネラル由来の安心な洗浄成分にこだわりながらも、便器のフチ裏の黒ズミ汚れにも効果のある成分を配合した洗剤。液だれしにくいジェルタイプで、トイレットペーパーに取れば便座や床も拭くこともできます。これ1本でトイレ中をお掃除できる優れものです。安心な成分なので素手で使えて、使用後はレモングラスの爽やかな香りがトイレに広がります。
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スラブガーゼウォッシュタオル(グレー)
ガーゼとパイルを二重織りにしたオーガニックコットンのウォッシュタオルです。ガーゼ面のボーダー部分には一本の糸に太いところと細いところの差をつけて凹凸出した、手紡ぎ風のブランドオリジナル「スラブ糸」を使用しています。ふっくらしわしわとした風合いが気持ちの良い肌触り。軽量なのにボリュームがあるのもこのスラブ糸の特徴です。
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飲み物
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・お客様の好みが分かる場合には、あらかじめお好みの飲み物を準備しておきましょう。好みが分からない場合には、コーヒーや紅茶より日本茶が無難です。
・また何種類か準備をしておき、お客様に選んでいただいたり、途中で別の飲み物に差し替えるのも良いでしょう。同時にガムシロップやミルクなども用意しておきます。お子様も一緒の場合には、ジュースなどを用意しておきます。
・暑い日は冷たい飲み物が喜ばれます。きれいなグラスに氷の入った麦茶や日本茶を淹れ、コースタ―も使用しましょう。
・お客様が来たらスムーズに出せる様に、食器類も含めすべて事前に準備をしておきます。
お菓子
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・飲み物に合わせてお菓子を用意します。お煎餅やクッキーなどひとつひとつ袋に入っているものだとお客様も食べやすいでしょう。
・相手によってはケーキを用意しておくと喜ばれる場合もあります。「近くで美味しいケーキ屋さんがあるので一緒にいただきたいと思って用意しました」と気持ちを伝えましょう。
・万が一、用意したお菓子とおみやげが重なっても「たくさんあるので嬉しいです」「気が合いますね」とお話しましょう。
お迎えからお見送りまで
お迎え
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① お客様がいらしてチャイムが鳴ったら、お待たせしないように迅速に対応しましょう。
② ドアを開けて「こんにちは、どうぞ中へお入りください」と招き入れます。
③ 玄関では「お待ちしておりました」と簡単な挨拶をします。
④ 立ち話は避け、「履物はそのままで大丈夫ですよ」と声をかけ、コートがある場合には預かります。準備して並べてあるスリッパをすすめましょう。
⑤ お客様に手指消毒をお願いしましょう。手を広げてもらい、消毒液をかけて差し上げると親切です。
⑥ 客間へ案内しましょう。
※お預かりしたコートはハンガーにかけておきましょう。忘れないように玄関近くにかけておくのも良いでしょう。
※履物はお客様を部屋に案内し、お茶やお菓子を出してから、タイミングをみて玄関中央に並べておきます。
※雨の日は、傘も玄関で預かりましょう。お客様が部屋に入ったあと、広げて乾かしておくと良いでしょう。
客間へ
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・廊下では先に歩き、身体をやや斜めにして振り返りぎみに歩き、客間にご案内をします。お尻をお客様に向けない様にしましょう。
・階段をのぼる場合には手前で止まり、お客様に「気をつけてお先におあがりください」と先に通します。降りる時は、自分が先でお客様が後ろです。理由は、万が一お客様が階段を踏み外した時にけがをさせない為の配慮です。ビジネスマナーも同様です。
・洋室:
押して開くドアの場合は、自分が先に入ってドアを押さえながら「どうぞお入りください」とお客様を招き入れます。
引くドアの場合は、ドアを開けて片手で押さえながら、もう一方の手で「どうぞ中へお入りください」とお客様をご案内します。
そしてドアから遠いソファの上座の位置に座る様に促します。
・和室:
ふすまを開け、姿勢を低くしてお客様を先に通します。正式には、正座をしてふすまを開けます。床の間の前の上座の方向を指し示して「奥へどうぞ」とご案内します。
・換気をこまめにしましょう。
お見送り
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① お客様の靴は、お帰りになる少し前にすぐ履けるように中央にあるかあらためて確認します。
② 靴を履く前にコートを手渡し、お客様が着やすいように広げましょう。
玄関の中で着てもらうように「どうぞ寒いのでここでお召しください」とすすめます。
③ あらためて今日の訪問や手みやげのお礼を伝えます。夜遅い時間になった場合には、「遅くまでお引とめしてしまい申し訳ございませんでした。暗いので、どうぞお気をつけてお帰りください」などお詫びの言葉を添えます。
④ お持ち帰りいただきたいこちらからのおみやげがある場合は、「こちら○○ですが、少しですがぜひ持ちください」と手渡します。
⑤ 玄関の外まで見送りに出ます。マンションや集合住宅の場合は、エレベーター前でお客様が乗って降りるまで、またはエントランスの外まで送ります。姿が見えなくなるまで見送るのが基本的なマナーです。ただし、お客様が玄関先で「どうぞお気遣いなく、ここで結構ですから」と仰った場合には、「ありがとうございます。それではお言葉に甘えて、ここで失礼させていただきます」と受けとめます。その際にお客様が帰られてすぐにドアの鍵をガチャンと閉めたり消灯しないように気をつけましょう。
客間でのおもてなし
挨拶
和室では入ってすぐの入り口近く(下座)で正座をし、指をついて挨拶をします。座布団に座ってから挨拶をするのはNGです。洋室ではたったまま挨拶をします。
「本日はわざわざ遠いところありがとうございます」「お越しいただき嬉しいです」「ぜひ、ゆっくりしていってください」などとあらためて来てくれたことへの感謝の気持ちをお伝えします。
手みやげ
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・受け取り方:
手みやげを差し出されたら和室の場合、まず両手をついて頭を下げます。
洋室の場合は、その場で一礼をします。
そのあと両手で受け取り、丁寧に「お気遣いいただき恐縮です。ありがたく頂戴いたします」などとお礼の気持ちを伝えましょう。
・置く位置:
受け取った手みやげは、床の間や上座にあたるところに一旦置きましょう。
そのあとお茶の用意のために立ったときにもう一度「頂戴します」と言ってさげましょう。ずっと部屋に置きっぱなしにするのはNGです。
また、お客様が「生ものなので、早めに冷蔵庫に入れてください」と仰ったら、「ありがとうございます。それでは先に冷蔵庫に入れてきてもよろしいでしょうか」とあまり時間をあけずにしまいに行きましょう。
お茶とお菓子のおもてなし
・準備:
あらかじめ用意しておいた飲み物をキッチンなどの別室で淹れます。
親しい相手の場合、目の前で淹れてもOKです。
・運び方:
お菓子とお茶を一緒または別々に運びます。
お盆には、茶托と茶碗は別々にしてのせ、きれいなふきんも一緒にのせます。
・出し方:
複数人いるときには、上座の人からお出しします。
お盆の上で茶碗の糸尻(糸底)についた水分をふきんの上で軽くとる様に触れてからひとつずつ茶托にのせて出します。運ぶ時に少しこぼれていると糸尻(糸底)が濡れています。そうすることで、茶托に水の輪ができることがありません。
お客様からみて右側から出していきます。
・並べ方:
お客様から見て器を正面に向けて置きます。位置はお菓子が左でお茶が右です。
お菓子を先に出してからお茶をそのあとに出します。
お客様用におしぼりがある場合には、お客様の右側に出します。
・おかわりのタイミング:
お茶は30~40分を目安に淹れ直します。
飲みかけのお茶を下げて、新しいお茶碗に淹れ直しましょう。
お茶の場合、入れ直す回数は3回程度。
※おかわりの一例
・1回目のお茶:
夏なら冷たいお茶、冬なら温かいお茶など季節に合ったお茶を客間に案内した後、すぐに出します。
・2回目のお茶:
場が和んだ頃、用意したお菓子と一緒に、それに合わせたお茶を丁寧に出します。
1回目の日本茶からコーヒーや紅茶に替えても良いでしょう。
・3回目のお茶:
お客様が帰る時間が近い頃のお茶。1回目2回目と同じ飲み物だった場合、3回目で味の違うものを出しても良いでしょう。
その他
食事について
基本的に食事は、予定していなければ出さなくてOKです。目上の人やゆっくりしていって欲しい場合で、お昼の時間帯や夕飯の時間帯にかかる場合には、相手の都合を伺いましょう。無理に引き止めることのないようにします。
お客様からの手みやげについて
時にはお客様が一緒に食べようと思い、ケーキなどを訪問先の人数と自分たちの分を数えて買ってくるケースがあります。渡されたときに何も言われなければ分からないので、念のため「とても美味しそうなケーキなので、一緒にお出ししてもよろしいでしょうか」と伺います。「ぜひ一緒にいただきましょう」と言われたら用意しましょう。「のちほどご家族で召し上がってください」と言われたら「ありがとうございます」とお礼を伝えましょう。
長居のお客様には
あらかじめ「○時まで大丈夫」とお互いの予定時間の共有ができていない場合、長居になり、そろそろ切り上げたいと思うこともあるでしょう。相手も帰るタイミングを逃しているかもしれません。
話を切り替えて、「今日はわざわざお越しくださってありがとうございました。とても楽しかったです」とお礼の言葉を伝えましょう。そして「今日はこのあとまっすぐにお帰りになるのですか?」「また今後お時間のあるときにぜひいらしてくださいね」と話を締めくくっていきます。
それでもなかなか話が続いてしまう場合、目上のお客様でなければ「もう少しゆっくりしていただきたいのですが、今日はこのあと所用がありまして」と伝えても良いでしょう。
突然の来客には
用件次第では「せっかくお越しいただきましたのに、お時間がとれずに大変申し訳ございません」とやんわりと断り、玄関先で話しても良いでしょう。
上がっていただくときには、トイレや客間を簡単に整え「どうぞ散らかっていますが」とひとこと添えてお通ししましょう。
まとめ
- コロナ禍で、なかなかお客様をお迎えする機会が少なかったと思いますが、お招きしてコミュニケーションをとれることは、とても貴重で大切な時間です。ぜひ、気持ちよくその時間が過ごせるように、より信頼関係が深まるように事前準備をしっかりしましょう。「来て良かった」「また来たい」と思ってもらえるように、おもてなしの心が伝わるといいですね。
監 修
江頭 美鈴さん
日本サービスマナー協会 認定マナー講師
マナーは、相手を思いやる気持ちが基本にあり、人と人とのつながりに潤いを与えてくれます。マナーの基本を知り、心豊かに日々を過ごせたら素敵ですね。イメージコンサルタントとしても、ブラッシュアップのお手伝いをしております。