14(キャトルズ)のナリタチ、カタチ。

白いキャンバスに絵を描くように遊び心を忘れず、ウキウキしたものづくりを大切にしていきたい。日々のよそおいに溶けこみ、長く愛着をもって使ってもらえるような“ヒラメキをかたちにしていくものづくり”を続けるレザーアイテムブランド「HIRAMEKI.」をご紹介します。

2つの『14』

つながっていく、その先のストーリーまで大切に

本社のある大阪を拠点に、現在5つの直営店をもつ「HIRAMEKI.(ヒラメキ)」。女性らしいかわいい雰囲気のアイテムが多いイメージですが、意外にも店舗には男性のお客さまも多く足を運んでくれるそう。実際、取材時に店舗にいらっしゃった男性は、草花の模様を型押しした「モリスシリーズ」の長財布をご購入。カラーは、2015年春夏の限定色・サムシングブルーを選ばれたそうです。

シンプルなレザーではちょっと物足りない、という方に人気が高いというモリスのお財布。ラウンドファスナー型やL字型の長財布はちょうどよいスリムさで使い勝手もよく喜ばれているとのこと。キャメルなど定番カラーをベースに、シーズンごとの限定カラーを楽しみにされているお客様も少なくない人気シリーズです。のちほどトートバッグもご紹介します。

ヒラメキのアイテムはギフトに選ばれる方も多く、商品にこめた思いが購入してくれたお客様を通して、贈られた人の思い出やストーリーにつながっていくことを感じるエピソードも。そのひとつが年に一度実施している『お財布供養』です。

お財布供養は、役目を終えたお財布を神社に納め、感謝の気持ちをもってお祈りをすること。ヒラメキでは年に一度、お客様から預かったお財布を供養する行事を続けています(不定期実施のため、詳しくはヒラメキのHPをご確認ください)。
送られてくるお財布には「何年使いました」「節目の記念にプレゼントでもらいました」といった、お財布と使ってくれた人の様子がうかがえる手紙が添えられていることも多いそうです。つくり手が商品の最後まで見届けられる貴重な機会でもあるといいます。

(写真一番下)お客様とのつながりを大切に考えるヒラメキでは、お財布供養のほかにも毎月3日の「レザーの日」や、お財布の使い始めにいい「寅の日」キャンペーンなど、季節ごとにさまざまなイベントを実施しています。ノベルティイベントで配布するグッズは、直営店のひとつである新大阪の本社1階にあるショールームの一角で、スタッフが心をこめてひとつひとつ手づくりしています。

時をかけて愛されるアクセサリーを目指して

アートの新しい楽しみ方を教えてくれる人気シリーズ

――ヒラメキといえば「アートヌメレザー」シリーズというくらい、イメージが定着していますよね。

デザイナー・AO(アオ)さん 一番の人気商品ですし、種類ももっとも多いシリーズです。アートレザーは古くからある絵画やイラストをモチーフにしたものと、オリジナルでイラストやパターンを起こしているものと大きくふたつに分かれます。私自身、美術史を学んでいたこともあり絵はいつも身近にあるものでしたので、よりたくさんの方に絵に隠された物語に触れ、さまざまな絵画をもっと気軽に楽しんでいただけれたらいいなと思っています。

――今回ご紹介するのは、リンネル最新号(2015年4月20日発売)にも掲載されている「サージェント」と「ワンダーフォレスト」の2種類ですね。

AOさん はい。サージェントが西洋絵画、ワンダーフォレストがオリジナルイラストです。

サージェントは19世紀の画家で、この絵は『カーネーション、リリー、リリー、ローズ』という歌詞の一節のような響きの名前が付いています。カーネーション…とのはじめての出合いはイギリスの美術館でした。独特の色彩の組み合わせとニュアンスが気にいって、ぜひシリーズに入れたいと思いました。海外の絵ですが、提灯や日本のユリが描かれているのは、1880年代当時のヨーロッパを席捲していたジャポニスムの影響なんです。時代を超えて、異なる国で生まれ育った者同士が影響を受けあっている不思議なつながりを感じたのも、この絵を使いたいと思った理由のひとつです。

2つの『14』

――続いて、ワンダーフォレストについてお聞かせください。

AOさん あしかがフワラーパークという、栃木県にある花と植物のテーマパークと一緒につくったデザインです。パークの名物である樹齢150年を超す藤の花をモチーフにしています。150年も生き続けている生命の神秘や、受け継ぐ人たちの想いを伝える絵にしたいと思いました。

――サージェントもワンダーフォレストも、どこか浮世離れしたような儚い雰囲気を感じます。

AOさん このふたつの絵は、私が好きだったり関心のあるファンタジックで神秘的な世界観が、特に強くでているデザインかもしれません。

実家がとても田舎で、小さな頃から花や植物、動物に囲まれて育ちました。山も海もとても近かったので、夜は真っ暗闇になって、闇の向こう側の世界を想像していました(笑)。田舎育ちの人は共感できる感覚かもしれませんね。
サージェントの絵には愛らしさのなかに神秘性を感じます。昼でも夜でもない、時の裂け目のような、夜の帳が降りる直前の一瞬を切り取った絵画です。怖くもありますが、同時に懐かしい気持ちにもなるんです。
また、アートヌメシリーズで使っているヌメ革は“エイジング”といって、使うほどに革の色がだんだんと濃くなっていきますので、お財布やバッグに描かれている絵の情景が徐々に暗くなっていくような、時間が経過しているようにも感じられると思います。本物の絵画とはまた違った見え方も面白いので、革が変化していく風合いとともに楽しんでいただければと思います。

時をかけて愛されるアクセサリーを目指して

実は職人泣かせ。欲張りな女性の夢がつまったバッグ

――バッグも「ブライトンシリーズ」がリンネルで紹介されていますね。

AOさん 旅行が好きでよくでかけるので、旅先のいろんなシーンで使い勝手のいいバッグが個人的に欲しいと思って、口金式で開閉できるダレスバッグ(ドクターズバッグ)を参考につくりました。上側だけが180度パカっと開いて固定されるので、開けたままだけど開き過ぎることなく全体が見渡せて、ガイドブックやメモなど取り出しながらサっと用事を済ませてしまえるんです。あと見た目より収納力があることと軽さにもこだわりました。さらに、日中はあちこち散策するのに荷物が増えても持ちやすいようショルダー用のストラップと、ディナータイムはちょっといいレストランにも持てるようハンドバッグにできる短い持ち手と2種類のコードをお付けしています。
また、表側だけクッション性のある芯材を厚めに入れて、たくさん物をいれても形が崩れずカジュアル感がでないようにも心がけました。裏側は体に当たるので芯を張らずやわらかいままにしています。

――裏地も素敵ですね。

AOさん これは次に紹介するモリスシリーズのトートにも使っているヘリンボーンという生地です。バッグの内生地が素敵だとテンションが上がりませんか?広げたり開けた時にしか見えない、他の人にはあまり気付かれないようなポイントで、自分しか知らない……でもそれが嬉しい!みたいな。なので、中を開けたときにわぁ~ってなってもらえるように(笑)品のある光沢感や模様など質感や色にこだわって選んでいます。

デザインの発想

――女性のこだわりというか、夢がたくさんつまったバッグなんですね。

AOさん つくっていただいている工場の方に、女性のデザイナーは男性より何倍も時間と手間がかかると言われました(笑)。欲張りでわがままなんですかね。たくさん入るけど軽く持てるようにしたいとか、矛盾してるのに両立させようと悩んだりして。こうだったらもっといいのにという普段から気になっているポイントをなるべくたくさん叶えられるバッグにしたいと思っているので。職人さんには負担をかけますが……自信をもってすすめられる出来栄えに仕上がっていると思います。

――モリスのトートも同じくこだわりが満載なんですよね。

AOさん モリスも長年人気のロングランシリーズですが、ずっとお財布やパスケースなど小物のみのラインナップだったので、ファッション性と実用性を備えたバッグを加えたいとつくりました。
モリスシリーズは“モダンデザインの父”と呼ばれる芸術家でありデザイナーであり詩人でもあるウィリアム・モリスという英国人がデザインしたパターンをモチーフにしています。リバティプリントの創始者と同時代をライバルとして生きた人物でもあります。
そんな偉大なデザイナーのパターンを使うので、イメージを崩すことなく使いやすいバッグに仕上げるにはと、サンプルを全体でも何度もつくり直しましたし、ハンドルなどのパーツごとにも何パターンも試しました。

――もれなく職人さん泣かせのバッグなんですね……。

AOさん はい。本当に申し訳ない限りです……が(笑)、まず大きさにこだわりました。わたし自身が小柄なほうなので、A4が入るサイズはマストにしながらも、トートバッグが歩いているみたいにはみえないような、かさばりを感じさせないマチの取り方に気を配りました。
あとはハンドルの長さ。入れ口の真ん中だけ少し下げることで、肩がけの持ちやすさと、プロダクトとしての美しさ、両方を目指しました。
もうひとつはファスナーの長さです。ささやかなことですが両サイドをちょっとずつ開けて、折り畳み傘やペットボトルなどが縦にしまえて、ファスナーを開けなくても取り出せるように工夫しました。

ご存知ですか?アクセサリーの大敵

一蓮托生(いちれんたくしょう)のものづくり

ここからはヒラメキの縁の下の力持ち、80年近く“made in Japan”を守りながら、良質なレザーアイテムをつくり続けている工場へ。代表の林さんを交えてお話しをうかがいます。

――ここまで丹念なものづくりができるのは、職人さんとの連携プレーがあってこそなんですよね。

AOさん 本当にお世話になっています。無理なお願いから形になりきっていない状態での相談までのっていただいて、ここまで親身につきあってくれる工場や職人さんには、なかなか出会えないんじゃないかと思います。

代表・林さん ヒラメキは別格だから。一緒に仕事をしていて楽しいし、無茶な注文だと思ってもこなせるよう努力すれば、職人の技術もあがりますしね。ともにレベルアップしていける関係だから、精一杯やっていますよ。正直なところ、ラクにできてトラブルも出にくい手慣れた仕事を優先したほうがいいに決まってますけど、ヒラメキの仕事は初めての試みも多いので問題が起きては潰すを繰り返して、ほんまにしんどい(笑)。

――バッグづくりのお話しでもご苦労うかがいました(笑)。また職人の方々は、みなさんベテラン感がすごいですね。

林さん 半分以上が70代で長年、皮革の仕事をしている熟練の職人たちです。専属の職人を抱えて革の裁断から自分のところでしているのは、いまどきめずらしいと思います。革の裁断は、自然素材である革1枚1枚の異なる個性を見極めて、効率よくなるべくたくさんの商品ができるようにする重要な仕事です。質のよい革を使っていても買いやすい価格の商品には、こういった技術や努力が隠されているのです。

――道具も大きな機械から小さな刃物まで、年季が感じられるものばかりですね。

林さん 革を裁断するクリッカーという機械や、用途によって革の厚みを薄くするための梳き機など機械も日本製です(クリッカーは「ふじ1号」という名前、渋い)。60年近く続けてくれている職人が来る前から使っていたという機械もありますね。

――すごい!骨董品レベルですね。ちょっとずつ大きさが違う刃物は、切るものによって使い分けているのですか?

林さん これはそれぞれ1本ずつ別の職人の持ちものです。まったく同じ道具ですが、切り方のクセだったり、自分で研いだり手入れをしながら長年使っているうちに、なんだか違うもののようになっていっていますね(笑)。

商品が完成したら、最後に仕上げと検品をおこないます。作業中についた傷はないか、ステッチのほつれ、ホックやファスナーの不良がないか、ひとつの商品で何十箇所とある糸の始末もすべて目を通します。革によっては熱を加えると自然なツヤがでるものもあるので、アイロンをかけて仕上げる場合もあります。通販で購入してくださるお客様は特に、手元に届いてはじめて実物と対面されるわけですから、そこでがっかりするような姿をお見せするわけにはいきませんので、プロフェッショナルがひとつひとつ念入りにチェックをおこなっています。

デザインの発想

革製品のお手入れについて

――お手入れについておしえてください。

AOさん オリジナルのケアグッズをご用意しています。防水スプレーと保革クリーム、クロスです。デリケートなヌメ革にも使えて、ご好評いただいています。(ナチュランでは期間限定販売)
使い方は、まずクロスで表面の汚れを落としてから革の状態をみて、乾燥しているようであれば少量のクリームで保湿してあげます。特に乾いている感じがなければ、防水スプレーのみで十分です。水から守る役割と、汚れがついても落としやすい効果もあります。
また黒ずみの汚れ落としには、消しゴムが便利です。革専用の消しゴムもありますが、文具用の白いプラスチック消しゴムでも代用可能です。強い力でゴシゴシこすってしまうと、特にアートレザーは色が薄くなってしまう心配がありますので、やさしくなでるように使ってみてください。

革も人の肌と同じで、状態をみてケアしてあげることが一番大切に思います。




おみやげをいただきました。オリジナルミラーとカタログを抽選で3名さまにプレゼント


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