好きからはじまる、つながりのきっかけになりたい
オーガニックコットンにまつわる話にはいつも驚きがあります。例えば、オーガニックコットンでつくった洋服は一切の加工をせずに、素材そのままの力で、紫外線をおよそ90%近くもカットするということ。
松田さん 元々コットンのほかシルクなどの天然素材には紫外線を受け止める力があるのですが、たくさん効率的に収穫しようと大量の化学薬品を使った結果、繊維が傷み、本来の効果が弱まっているのです。
自然に成長するエネルギーをたいせつに育まれた健康なオーガニックコットンは、身につける人の体も心も健康にしてくれるというデータも出ています。
たとえば、体のダメージを修復してくれるという成長ホルモンは、寝ている間に分泌されているのですが、化学的な成分が肌に触れていると出にくくなってしまうそうです。逆に、質のよい天然素材を身につけていれば、分泌がぐっと高まるということですね。
――自然のアンチエイジングですね。天然素材ってすごいですね。
松田さん 知るほど奥が深くておもしろいですよ。オーガニックコットンを使った商品を扱うブランドのイメージカラーというと、このタオル(写真上から2枚目)にも使っている、生成り、ブラウン、グリーンの3色が印象にありませんか? 生成りが染色をしていない綿そのままの色というのは見て分かると思いますが、ブラウンもグリーンも、実は同じく綿そのものの色なんですよ。
――それは知りませんでした。
松田さん アメリカのニューメキシコ州の一部の地域でしか採れないため価格が少し高いのですが、このカラードコットンと呼ばれる色が濃いコットンは、紫外線の遮蔽率がさらに高く、95%以上と言われています。
――環境にいいとか、生産する人たちの健康を守ることがオーガニックコットンの大きなメリットだと思っていましたが、購入し身に着ける側にもそんな違いがあるんですね。
松田さん 違いますね。成長ホルモンのことを聞いたときは私もびっくりしました。でも多くの人は環境にいいからオーガニックという選び方ではないというか、体や環境にいいと言われても、デザインが好みじゃなかったら欲しいと思えないですよね。好きから入って使っていくうちに、自分にも人にも地球にもいいことがあるんだと、つながりを知るきっかけのお手伝いができたらと思っています。
(写真1枚目)カラードコットンを広めたサリー・フォックスさん。後ろの綿畑で育っているのが、カラードコットン。
安心して着てもらうため、糸づくりから丹念に
――天衣無縫は糸づくりからはじめている商品も多いんですよね。
松田さん このニットトップスも糸から企画しました。涼しげで、カジュアルだけど上品な杢調のトップスがつくりたくて、綿の状態での染色方法から糸にするための撚り合わせまで、理想の杢を出すためにけっこう苦労しました。
――染料はなにを使っているのですか?
松田さん これは化学染料ですが、草木染めよりも安全とさえ言われているくらい、厳しく調査・管理されていて、ほとんどの人の肌に悪い影響はありません。
染料についてのお問い合わせはお客さまからも多くいただいていて、草木染めの何を使っているのかを気にされる方も少なくありません。先ほど天然の力はすごい、という話題がありましたが、自然素材だから単純にいいというわけでもないんです。
――アレルギーということでしょうか?
松田さん そうなんです。花粉アレルギーのように、種類によって反応してしまう体質の方がいて、天衣無縫のお客さまは特に敏感な方がいらっしゃいます。染料で肌がかぶれたということがないように、安心して着ていただきたいという思いも、糸からつくっている理由のひとつです。
――縫製にもこだわりがあるんですよね?
松田さん 厳密には縫製はまったくしていなくて、編むだけで一着を仕上げる「ホールガーメント」という無縫製ニット編み機を使ってつくっています。ホールガーメントでつくるメリットは大きくふたつあって、ひとつは着心地のよさです。
パーツを縫ってつなげると、どうしても重なってゴロゴロする部分が裏側に発生します。多くの商品はそうなので特に気にされていないかもしれませんが、縫い目のないフラットな着心地のよさは格別ですよ。見た目にも盛り上がる部分が一切なくなるのですっきりとした印象になって着やせ効果もあります。(写真上から3枚目)
――もうひとつのメリットは?
松田さん 糸を無駄に捨ててしまわなくて済むことです。パーツを縫い合わせる方法だとカットして捨てる分、たくさんの糸を無駄にしてしまいます。大切につくっている糸なのでできるだけ無駄なく使いたいですし、捨てる量が少ないのは環境にとってもいいことなので。
(写真下から2枚目)ガーター編みとリブ編みの絶妙な組み合わせが、目の錯覚(?笑)を起こし細く見えるそう。
松田さんのように細身の方が着るとストンと落ちるシルエットに。ホールガーメントの特長である立体感とフィット感、ドレープ性の高さで、体型にお悩みのある方でもくびれて細くみえる部分ができるので、着るとよりその素晴らしさが分かる洋服。首元の開き具合、腕もすっきりみえるよう計算された袖丈にも注目。
(写真一番下)カーディガンはトップスより身幅を広く、袖も少し長めにとっているので、アンサンブルで着ても素敵。暑い夏、タンクトップの羽織りとしても便利なアイテムをと企画。
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冷えとり中の方にも。やさしいストライプキュロット
――このキュロットもオリジナル生地なんですよね。
松田さん はい。幅広い世代の方が取り入れやすいのはどんなストライプだろうと、いろいろ試行錯誤してつくりました。いかにも柄というよりは、素材の違いで変化をつけたり、生地の凹凸感で、よーくみるとストライプだね、というくらいの。コットンをベースに縦糸でリネンを刺して、あえてメリハリを効かせないストライプにしてみました。
安心感のある厚みをもたせつつ、春夏物なので着たときにさらっとした肌触りを感じてもらえるようにというのも、ストライプにみえるポコポコ感とつながっています。穿いたり洗ったりお日さまの光で乾かしたりを繰り返していくうちに、生地が空気を含んでふっくらとしてなじんできます。軽くてとても着やすい生地です。
――デザインはいかがですか?
松田さん オーガニックコットンが主体のブランドということもあって、冷えとりをされているお客さまも多いですから、重ね穿きをすることと見た目のバランスも考えて、ボトムスは特にゆとりのあるデザインを心がけています。ウエストはゴム仕様に加え紐も通してあるので、穿く高さやギャザーの寄せ方を変えることで、メンズライクにも、女性らしいシルエットにも着ていただけます。
――お洗濯で気をつけることを教えて下さい。
松田さん パンツのほかのアイテムも含めて、できれば石鹸成分の洗剤がいいですね。天衣無縫では「パックスナチュロン」という洗剤をおすすめしていますが、界面活性剤や蛍光増白剤が入っていないものであれば大丈夫です。石鹸素材は生地を傷めたり硬くもなりませんから、柔軟剤を使わなくてもやわらかく洗い上がります。干すときはゆがみを整えて、天日よりは陰干しがふっくらと乾きます。
以前、どうしても合成洗剤で洗わなくてはいけない時があって、久しぶりに使ったのですが、生地が硬くなるし、着ていても体によくない感じがして、気分もよくなかったりして。天衣無縫の商品は決して買いやすい価格ではないですが、でも気に入っていただけたら大切に着ていこうと洗剤にも気をつけたり、コットンや染料はどんなものを使っているんだろうという興味を通じて環境にも目が向くようになったり、いい循環ができるのではと思っています。
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より多くの人の体をいたわる色と素材、形を追求
松田さん 天衣無縫ができた初期から20年近く売れ続けているロングヒット、リブシリーズです。キャミソールもショーツもワンサイズのみですが、合わないという方は聞いたことがないくらいよく伸びます。私自身、妊娠してお腹が一番大きかったときにも穿いていましたし、うちの男性社員もロングパンツをステテコ代わりに愛用していたり、本当に体型を選ばずおすすめできる商品です。
(着る人に合わせてリブが程よく体にフィットする大きさに伸び、お洗濯をするたびに元の大きさに戻るため、伸びっぱなしという心配はありませんのでご安心ください)
松田さん 下着としてはもちろん、ホームウェアとしてご愛用いただいている方も多くて、おうち用にはピンクが人気です。
このピンク色は「べんがら」という土からとれる成分を染料にしていて、陶漆器や家屋にも、べんがら塗りとして用いられるなど、日本の暮らしを古くから彩ってきた素材です。日光による褪色や経年変化に強く、人体にやさしいということから、オーガニックコットン製品と相性がよい天然染料です。
またピンクは女性ホルモンが活性化する色とも言われていて、寝ているときに身につけていると自然のアンチエイジングになるので、リラックスしたいときにおすすめです。
――グレーは薄着になる季節は特に、見えてもいい色としていいですね。もう一色、生成りのカラーは少し肌触りが違うような気がしますが。
松田さん より肌触りのよさを求める方には、ピマコットンという特別なコットンを使用した「スーピマリブシリーズ」をご紹介しています。綿は一般的に繊維が長いほど上質とされ、ピマは綿の中で最も長い「超長綿」に属します。さらにそのなかでもオーガニック栽培されたものの生産量はごくわずかで「繊維の宝石」との評価を得ているほどです。
そんな貴重なコットンなので限られた商品にしか使えませんが、天衣無縫では直接肌に触れる下着や肌着、タオルで取り入れる場合が多いです。シルクのようにやわらかくなめらかで、吸湿性と耐久性に優れ、しっとりしなやかな風合いのよさを感じていただけたらと思います。
(写真下から2枚目)ゴムの縫い付けに使用している糸も綿糸。伸縮性の高い素材の縫製には通常、伸びない綿糸は切れてほつれやすく素材を傷める可能性もあるため使わない場合が多いなか、天衣無縫では特殊な技術をもつ職人に依頼し実現している。
「縫製が追いつかないので他でもできる工場を探しているのですが、どこもできなくて。本当にすごい技術なんです(松田さん)」
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オーガニックコットンの可能性を広げた、ベア天竺シリーズ
リブシリーズのゆるやかなフィット感とはやや対称的に、ある程度は締め付けないと下着は不安……という方にファンが多いというベア天竺シリーズ。リピーターは通販客が大半を占めるそうで、今回ご紹介するにあたり常に希少な在庫から特別にご用意いただいたため、ピンときた方はぜひお早めに。
松田さん リブシリーズはオーガニックコットン100%と、ゆるゆるとした着け心地にこだわった商品です。が、そこまでの敏感肌ではなかったり、外出するときはリブシリーズの着用感では物足りない、というお客さまもいらっしゃるはずと企画したところご好評いただけました。
ポリウレタンを10%だけ入れて伸縮性を高めていますが、細い糸にして生地の中に編み込んでいるので、肌に直接あたる部分に関してはオーガニックコットン100%といって差し支えないつくりにしています。動きに合わせて伸び縮みし体にフィットするので、少し激しい運動するときにもズレにくいというメリットもあります。
ちらっと見えてもいいデザインとカラーにも気を配ったり、アクティブなイメージでつくったシリーズです。
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贈り物にもおすすめのアームカバー
――日除けが一番の目的のアイテムなので改めてお聞きしますが、これもUVカット加工はしていないんですよね。
松田さん はい、アームカバーはもちろん、天衣無縫の商品は一切していません。また加工は表面的なものなので使っているうちに取れてしまいますが、オーガニックコットンは素材が持つ力で紫外線をカットしていますから、お洗濯をして効果が薄れたりすることはありません。が、その力が弱まらないよう、なるべく界面活性剤など科学的な成分が入っていない洗剤を使っていただけるとよりいいかなと思います。
――デザインが二種類あるんですね。
松田さん 無地とボーダーで、ボーダーは2色展開です。無地はボーダーと比べると少し厚みがありフィット感が強いです。伸縮性を高めるためにほんの少しですがナイロンを入れているので、オーガニックコットン100%にこだわる方はボーダーをお選びください。
また、真夏に着けるにはちょっと暑くてイヤだなという方にもボーダーをおすすめしています。薄手でゆったりしたデザインなので風通しがよく、レッグウォーマーとしてもお使いいただけますよ。
また先ほど無地は厚みがあるから夏は……というお話をしたのですが、冷房対策も兼ねたいという方には無地がよかったり、日除けプラスアルファで何に使いたいかにもよりますね。
――デザインのほかに機能面でも、選択肢がある商品なんですね。
松田さん 贈り物としてもいいアイテムかなと思って。とするとバリエーションがあったほうが贈る相手を思い浮かべて選ぶ楽しみも増えますから。
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お風呂からあがっていつもの感覚で触れたら、なめらかで柔らかな感触に驚きました!肌にいいのが触った瞬間にわかる感じです。ハーフトップは胸の前がカシュクールのようにクロスしたデザインのせいか、背中から前に向かって心地よく包み込まれるようにフィット。いつもは帰宅するとすぐに取りたくなりますが、これは外すのを忘れるほどナチュラルなつけ心地でした。(営業・30代・こま)
ショーツがすごく気に入りました。柔らかくて肌触りがよく、普段穿いているショーツで悩みの脚ぐりの締めつけ感がなく、お腹やお尻がすっぽりと包まれる安心感がありました。肌が敏感になる季節や生理前には特にいいなと思いました。(モデル・20代・あや)
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さまざまな商品を営業としてみていたり、冷えとりやデトックスを実践していた頃にオーガニックコットンのアイテムを試してみたりしてきましたが、このロングパンツの股の部分は、はじめてみた仕様でした。超乾燥肌のせいか、肌あたりには敏感なほうだと思いますが、このロングパンツは家にいる間にどんな体勢でいても、縫い目があたって気になる感じはなく、気持よく過ごせました。(営業・30代・よしこ)
柔らかい素材でぬくもりを感じましたが、その柔らかさゆえ、どんどん伸びてしまうのではないかと心配でした。が、お洗濯をすると大きさが元にもどり、身に着けてすぐはフィット感が増しているような気もしました。ただ着ているうちにまた体の大きさに伸びるので、縮んでいるというわけでもない、不思議な商品です(笑)。(保育士・50代・えみ)
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カップ付きキャミソールと1分丈ショーツを、おうち着として試しました。ショーツは股上が深く長さもあるので、1枚でも短パンのように着用できました。率直に言うとノーパンノーブラ感覚(笑)。キャミソールもカップ付きだけどホールド感はなく新鮮なつけ心地でした。開放感がある下着を好む人には最高だと思います。(広報・30代・みさち)
べんがら染めのピンクのタンクトップとロングパンツを、パジャマとして着ました。レギンス類を家で穿くときはだいたい裏返しにしないと縫い目があたってイヤなのですが、これは普通に穿いて大丈夫なことに感動しました。ピンクというのがなんといってもウキウキして、ぐっすり眠れるのかいつもよりすっきりと目覚められているような気がしました。(制作・40代・うじこ)
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