writer NATULAGI編集部
この冬もたくさん着たニットやダウン。そろそろお洗濯しなくてはと思いながら、ついつい後回しにしてしまう、という方も多いのではないでしょうか。(なにを隠そう私もそのひとり!)
そもそも腰が重い原因は、洗濯の方法があやふやだからという場合もあるようです。
そこで今回は、4児のママで洗濯研究家の平島利恵(ひらしまりえ)さんに、「ニット」と「ダウン」の正しい洗い方を伝授していただきました。
お洋服にはもちろん、忙しい人にもやさしい基本の洗い方です。これから洗いたいニットやダウンを手に、ぜひご一緒にお試しくださいね。
準備編:「洗濯表示」をチェック
大切な情報は洗濯タグにあり! ニットもダウンも、洗濯可能かどうかは、左上にある桶のマークで判断します。覚えるのは3つマーク。
①桶と数字のマーク→洗濯機で洗えます
②桶と手のマーク→自宅で手洗いできます
③桶にバツがついている→自宅で洗えないのでクリーニング店へ
※②の手洗いマークでも、洗濯機によっては洗えるコースが搭載されている場合もあるため、自宅の洗濯機の説明書をご確認ください。
lesson1 ニット
まずはニットの洗い方から。ポイントは「摩擦を防ぐ」を意識することです。
ニットの洗い方(洗濯機編)
畳んでネットに入れる
ニットを畳み、ぴったりの大きさのネットに入れます。
汚れの気になる面を表に出したいので、汗のニオイや皮脂汚れなどが気になる場合は裏返しにして畳みます。
平島さん:
「大きすぎるネットを使ったり、1枚のネットに何枚も入れたりすると、生地がこすれて摩擦が起き、毛玉や型崩れの原因に。ここは贅沢に、1枚につき1ネットを使うようにしてください」
中性洗剤を入れる
ふだん着用の洗剤では、必要な油分まで落としすぎてしまう可能性があるため、「おしゃれ着用」と書かれた中性洗剤を選びます。
ウールの繊維は、髪でいうキューティクルのような構造を表面にもつので、柔軟剤入りの洗剤を使うと表面が滑らかに整い、手ざわりよく仕上がります。
洗濯機のコースを選ぶ
たっぷりの水とやさしい水流で摩擦を抑えて洗える「デリケートコース」や「おしゃれ着コース」などを選びます。
ニットは濡れた状態が一番ダメージを受けやすいので、脱水終了後はすぐに取り出すようにします。
干して乾かす
平干しネットなどを使って平らに干すことで、型崩れを防ぐことができます。
専用のネットがない場合は、写真のようにハンガーを2つ使うと、重みで袖や裾が伸びることを防げます。
▲2本のハンガーを使った干し方。ハンガーは肩に跡がつかないものを選んで。平島さん:
「濡れたまま5時間経つと、ニオイの原因菌が発生するといわれています。サーキュレーターなどで風をあてて、5時間以内に乾かすようにしましょう」
ニットの洗い方(手洗い編)
面倒なイメージの手洗いも、コツを覚えれば簡単&きれいに仕上がります。
洗濯用の水をつくる
洗濯桶(なければ洗面台を洗って使ってもOK)に30度以下のぬるま湯を溜め、おしゃれ着用の中性洗剤をよく溶かします。
平島さん:
「40度以上の高温ではニットが傷みやすく、冷たすぎる水では洗剤の効き目が弱くなります。洗剤の力が発揮しやすく生地にもやさしい、30度くらいのぬるま湯がベストです」
畳んだニットを押し洗い
畳んだニットを洗剤を溶かした水につけて、やさしく押し洗い。途中で持ち上げたりせず、畳んだまま「押して、離して」を繰り返します。
※手荒れを防ぐために、実際にはゴム手袋の着用をおすすめします。
すすぐ
水を捨て、きれいな水を溜めて、押し洗いと同じように「押して、離して」すすぎます。途中で水を変えて水が透明になるまで繰り返します。
ネットに入れて洗濯機で脱水
すすぎ終わったら、軽く押して水を抜き(雑巾絞りは厳禁!)、畳んだ形のままネットに入れて、洗濯機で15~30秒程度、水が滴らなくなるくらいまで脱水します。
平島さん:
「バスタオルで巻く脱水方法もありますが、タオルを何枚も取り替える必要があり、洗濯物が増えてしまうのがデメリットでした。その点、脱水だけ洗濯機を使う方法は、時短にもつながりおすすめです」
干す
洗濯機の時と同じように、平干しネットや2本のハンガーなどで型崩れに気をつけて干し、風をあてて乾かします。
lesson2 ダウンジャケット
ダウンの場合も、まずは洗濯表示をチェック!
①桶と数字のマーク→洗濯機で洗えます
②桶と手のマーク→自宅で手洗いできます
③桶にバツがついている→自宅で洗えないのでクリーニング店へ
クリーニングに出すイメージが強いダウンですが、平島さんによると、自宅で洗えて、洗濯機OKのものもじつは多いのだそう。
平島さん:
「中の詰め物が羽毛(ダウン・フェザーなど)でも、ポリエステルなどの化学繊維が入っていても、問題なく洗えることがほとんどです。
ダウンではなく中綿ジャケットの場合も洗い方は同じ。ぜひトライしてみてくださいね」
※ただし、表の生地にレザーやウールなど水洗いできない素材が使われていると、家庭でのお洗濯はできません。
ダウンの洗い方(洗濯機編)
ファスナーを閉めてネットへ入れる
ファスナーやボタンはすべて閉め、畳んでネットに入れます。
畳む際に、表側の汚れが気になる場合は表のまま、内側の汗のニオイや皮脂汚れが気になる場合は裏返して畳みます。
中性洗剤を規定量入れる
「おしゃれ着用の中性洗剤」を選びます。
縦型洗濯機の場合は、洗剤の量が少なすぎると、ダウンが沈まず浮いてしまう原因に。洗剤には水とダウンをなじませる働きもあるため、規定量を入れるようにしましょう。もしどうしても浮いてくる場合は、洗剤がなじむまで手で押して沈めてください。
洗濯機のコースを選ぶ
やさしい水流で洗える「デリケートコース」や「おしゃれ着コース」などを選びます。
詰め物を手ほぐす/または乾燥機で10分
脱水後は、中の詰め物がヨレてしまっていることが多いので、指でやさしくほぐします。
乾燥機をお持ちの場合は、脱水後にネットから出して10分間だけ乾燥機にかけると詰め物がほぐされます。
平島さん:
「少し面倒に感じる工程かもしれませんが、このひと手間が、見た目のきれいさはもちろん、ダウンの保温性を保つためとても大切になります」
ハンガーにかけて干す
ボタンやファスナーは開けてハンガーに干し、サーキュレーターなどで風をあてて乾かします。
ダウンの洗い方(手洗い編)
洗濯用の水をつくる
畳んだダウンが入る大きさの洗濯桶(なければ洗面台や浴槽でもOK)に30度以下のぬるま湯を溜め、中性洗剤をよく溶かします。
畳んだダウンを押し洗い
より汚れが気になる面を表にして畳み、水に沈めて押し洗い。「押して、離して」を繰り返します。
平島さん:
「ダウンはニットに比べて洗濯頻度も少なくなり、汚れを溜めこみがち。かなり汚れが出てきた場合は、一度水を流してから、もう一度洗剤をとかした水で、根気よく押し洗いしましょう」
すすぐ
水を入れ替えながら、押し洗いと同様に「押して、離して」を繰り返し、水が透明になるまですすぎます。
ネットに入れて洗濯機で脱水
軽く押して水を抜き、畳んだ形のままネットに入れて、洗濯機で脱水します。(脱水時間は1分ずつ様子をみて。)
詰め物をほぐしてから干す
指で中の詰め物をやさしくほぐしてハンガーに干します。
乾燥機でほぐす場合は、脱水後にネットから出して、乾燥機に10分間かけてから干します。
ファスナーやボタンは開け、風をあててしっかりと乾かします。
洗濯のお悩みQ&A
シミを見つけたら?
「食べこぼしやファンデーションなどのシミや汚れを見つけたら、洗濯の前に、中性洗剤の原液をシミ部分に塗布し、歯ブラシなどを真上から垂直にあてトントンと叩いてしみこませます。
生地を傷めてしまうので、ゴシゴシと擦らないように注意。その後にご紹介した工程で洗ってください」
手洗いマークを洗濯機で洗ってはダメですか?
「洗濯という行為は基本的に自己責任ですので、ご自分の判断でしたら洗濯機で洗うことはもちろん可能です。ただ、一度縮んでしまったものは、きれいに元に戻すことは難しいので、大切な衣類ほど判断は慎重に。
とくに、カシミヤやシルクなどのデリケートな天然素材のニットは、熱や摩擦によるダメージにとても弱いので、長く着続けるためには、よりやさしく洗える手洗いをおすすめします」
服も気持ちもさっぱりと次の季節へ
取材後、教わった方法でニット、ダウンを自宅でそれぞれ洗ってみたところ、ダメージのない、きれいな仕上がりに感激! 迷いなくできる作業は無心になれて、なんだか気持ちまですっきりさっぱりするようでした。
少しずつ春めいてきたこの頃。ニットとダウンを洗濯する際は、ご紹介した洗い方をぜひ参考にしてみてくださいね。次の季節も、また快適なおしゃれを楽しめますように。
- 教えていただいたのは
平島利恵(ひらしまりえ)
洗濯研究家
東日本大震災時の紙おむつ不足の経験から布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業をスタート。2016年からは洗濯ブランドRinenna(リネンナ)を展開する。洗濯研究家としてTV、Web、雑誌等のメディアに多数出演。「洗濯の正攻法を伝授する」ことが自身のミッション。
公式HP:https://rinenna.jp/
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